北高尾  堂所山 2006/01/08

− 北高尾縦走 高尾駅から相模湖駅へ −

先週の歩いた金比羅尾根の琴平神社は、もしかしたら北条氏が、小田原から武蔵の国に進出した時に

小田原の金比羅神社の分社として建立したのではないかという意見があった。

歴史に疎い為、北条氏の事も良くは知らない。

ただ、八王子に居城があった事は聞いた事がある。

その城跡が、八王子城趾として残されているらしい。

何時も高尾山を縦走する時、気になっていた堂所山からの北高尾のルートも歩いてみたい。

夏にはとてもハードだというコースも、今の時期なら何とかなるかも知れない。

7時発の京王線で高尾駅に到着。

南口に出てしまったため、ぐるりと大廻りして北口に行く。

何しろこの駅は、JRと京王線が同居している為、かなりの大廻りとなる。



甲州街道に出て、JR高尾駅(旧浅川駅)から北に延びる高尾街道の交差点で時間を見ると8時6分であった。

この駅舎は1927年(昭和2年)に新宿御苑につくられた大正天皇の大葬用停車場を移築したもので

全国的にも非常に珍しい木造の駅舎となっている。

南浅川の橋上ではバードウォッチングをしている人が大勢居る。

川面を見ると、沢山の鴨が仲良く並んでいる。

枯れた木々の間を、時折野鳥が飛ぶのも見える。



橋を越えると廿里坂にさしかかる。

戦国時代永禄12(1569)年10月1日、小山田信茂の率いる甲州武田の軍勢は小仏峠を越えて兵を進め、

滝山城の北条氏照を背後から攻略したと伝えられる。

高尾駅の北側の廿里(とどり)は両軍が激突した古戦場で、この戦で北条氏は敗れ、

このことが氏照をして小仏峠を睨む強固な防衛拠点が必要との判断に至らせ

滝山城から新たに八王子城を築城し城替えすることになったと言われる

十十里とも鳥取とも表記される古戦場跡である。

左には森林科学園、そして右には多摩御陵、武蔵野御陵の林が奥深い。

野鳥が飛び交うのが木々の間から見える。



団地が多いせいかバスがひっきりなしに通る。

バスに乗れば良かったかな?と思いながら車道を登って行くと8時29分霊園前のバス停に着いた。

バス停を通り越し少し行き、八王子城趾入り口の交差点を左に入る。



八王子発祥の里(元八王子)の看板を越して、北条氏照の百回忌供養のために建てられた宗関寺も越えて行く。



感じの良い広い石畳の道路を行くが、都心に近いとは思えない佇まいの家々が続く。

8時48分八王子城趾入り口に着く。



公園の様になっていて、解説板が沢山あるが細かい字ででびっしりと書かれている。

読んでいるだけで時間がかかりそう。



有名な曳橋のある御主殿(居城)跡へは左奥から入る事が出来る。

此処にある御主殿の滝は、落城の際、城中の婦女子が自害して飛び込んだ為、三日三晩赤く染まったという。

ここは、近年心霊スポットとして有名になっているらしい。

私達は右へ進み小さな橋を渡る。

鳥居を真っ直ぐに登って行く。

8時53分



少し登ると道が分岐している。

左へと新道を行く。



鳥居をくぐり、階段を上がると金子丸に着く。

此処は、金子三郎右衛門が守備した曲輪(城や砦など、一定の区域の周囲に築いた土や石の囲いのこと)。

登って行くとあちこちに、都心方面の見晴らしが良い場所がある。



少し狭くなった山道を上がると、先ほどの旧道と出会う。

此処に8合目の石柱がある。



更にジグザグの石段を登ると石板がいくつか有り、その上の広い所に9合目の石柱がある。

稜線に出て視界が広がる。



先週の金比羅尾根よりも更に都心に近い。

八王子から広がる関東平野を見ると、八王子が奥多摩への入り口になっている事が良く解る。



直ぐに頂上と書かれた石柱のある広場に到着。

9時19分。

此処にあった八王子城は氏照が、廿里の戦いの後、甲斐の国方面からの敵を防ぐために築城し、滝子城から移ったが

秀吉の小田原攻めの為、氏照が小田原城に行っている間に、1590年(天正18年)前田利家軍に攻められて落城。

氏輝はその後直ぐ小田原城にて自害。秀吉の軍勢の強力だった事が解る。



更に少し階段を上ると、八王子神社がある。

此処が八王子城本丸跡 445m

神社は、神殿の中に社がある凝った造りとなっている。

昨年改築されたそうだ。



境内にはいくつかの社が建っている。

境内は掃除が行き届いている。

箒の掃き目までくっきりとしている。

近所の方が毎朝掃除されている様だ。



見晴らしの良い広場があり、大きな石盤が2個立っている。

ベンチもあり、見晴らしも良いので少し休憩。



南には高尾の稜線が続いている。

これから先長いので、トイレをお借りする。

とても気持ちよく掃除されている。

竜王山のぶち壊されたトイレとエライ違いだ。

9時27分出発。



富士見台まで、90分と60分の小さな看板がある。

急な下り気を付ける様にと書いてある。

二ノ丸跡から細い山道を下り井戸曲輪跡の古井戸に着く。

古井戸には御幣がくくりつけられていた。

家内が、汲み上げポンプを押すと水がほとばしり出た。

戦国時代から今まで枯れる事なしに使われているのだろうか。



いくつか直角に曲がる道を下ると広い鞍部に出る。

ここが馬冷やしと呼ばれる場所らしい。

陣馬山まで、6.5時間もかかる厳しい道なので心していく様にと書いてある。

何しろ此処からは、20以上の、小さいけど鋭いピークを越えていかなければならない。

9時35分出発。



小さなアップダウを繰り返し小さな三角錐の様な天辺に天守閣跡があった。

林に囲まれて見晴らしは余り良くないし、直ぐ裏は更に高いピークがあるので、天守閣としては余り良い場所とは言えない。

背後から攻められたら弱そう。



天守閣跡から一旦鞍部に下りてまたいくつかピークを越えて、最後に急坂を登ると、富士見台分岐。

ここから陣馬山まで、5時間を4時間と修正した看板がある。



ふと樹木の間を見ると、輝くばかりの真っ白な富士山が覗いている。

此処の分岐から少し左へ登って行くと富士見台に着く。

三人の若い男女が休んでいた。

10時4分。



此処では、遮るものは何もない。

富士山が正面に美しい姿を見せている。

手前の鞍部は小仏峠だろう。

左のアンテナが見えているのは小仏城山

昔の甲州街道は、この小仏峠を越えて小原宿に抜けていた。

若い人達と家内が話をしている。

大学生ぐらいだろうか。

美しい富士の姿と静かな山歩きに感動している。

これから堂所山経由で美女谷に下りるそうだ。

ところが、お先にと言って南に下ろうとする。

「おいおいそっちは、小下沢林道経由で高尾山口に降りる道だよ」

声をかけるが、地図を広げて見ても納得しない様子。

コンパスを見せてやっと納得させる。



コーヒーと行動食で少し休憩。

10時16分出発



急坂を下り、また登って行く。

三角点補のある杉の沢の頭547mを越えていく。

途中南が開けて大山の端正な姿が覗く。



所々のピークにはベンチがあるが、休まずに行く。

突然林道に出る。

10時59分



直ぐに登山道に入る。

堂所山まで4.8qの道標。

此処で最近、熊の足跡が見つかったそうだ。

家内は熊鈴を付ける。

ピークをパスして林道を行く事も出来るそうだが、そのまま山道を行く。



途中で林道の直ぐ横に出る。

此処は坂当峠。

林道を行った場合は、此処からまた山道に入ってこなければならない。

林道を樹木越しに下を見ながら行くと、先ほどの三人組らしいのが、林道をそのまま歩いて行っている。

声をかけようと思っている内に見えなくなった。






更にアップダウンを繰り返していくと、狐塚峠

堂所山まで4.4q

まだまだ先は遠い。



一直線の稜線を登り切ると、また正面にピークが見える。

また登るのかと思いながら下っていく。

ただただ踏みしめていくばかり。



八王子の市街を真下に見ながら行くと一際厳しい坂の後に杉の丸612mに着く。



かなり疲れてきた足を踏ん張りながら行くと黒ドッケのピーク

此処から北に下ると、中村雨紅の夕焼け小焼けの童謡で有名な夕やけ小やけふれあいの里に着く。



ここは夕やけ小やけふれあいの道と言うらしい。

この辺でやっと逆方向からやってくるパーティに出会う。

本当に静かな登山道だ。



一寸怖い岩場を登り切ると景色の良い広場に出る。

一人疲れ切った様子の男性が居たが、私達が今登ってきた岩場を下りかけて、大きく転倒した。

ビックリしたが、岩場には丸太の柵が作ってあったので転落はしなかった。

高尾といえども、毎年けが人が出て時には事故死もあるらしい。



ピークの下で老夫婦にお会いする。

陣馬下から堂所山経由で登って来て此処で昼食にしているとか。

八王子城趾方面からは、未だ二人しか通っていないとの事。

いなり寿司が美味しそう。

次の大きなピークは大嵐山(おおらんざん)

ここから堂所山まで2.6q



12時15分送電線の場所に出る。

その次のピークから2.0qの標識。



三本松まで来ると立派なアカマツの古木が大きく空に枝を広げている。

右には、大岳山や御前山の姿が見えてくる。



左に小下沢林道が登ってきている。

駐車場の様になっていて

日影バス停まで90分と書いてある。

此処が関場峠。堂所山までやっと1.4qになった。

12時35分



最後の坂が意外に長い。

この寒いのに汗びっしょり。



綺麗なミヤコザサの中を最後の登り。

13時6分、堂所山733mに到着。

高尾駅前交差点から丁度5時間。

頂上には3人の女性が居たが直ぐに出発して私達だけになる。



やっと昼食タイム。

ところが日が当たっているにもかかわらず、急に冷えてくる。

ジャンパーを着込んで帽子も被るが、風が凍てつく様だ。

弁当も冷たく硬くなっていて美味しくない。

温かいコーヒーで一息つく。

夫婦が来たが直ぐに引き返して行った。

私達も早々に出発。



堂所山は雑木林の中の静かな山頂。

林の間から、陣馬山が覗いている。

13時24分出発。



明王峠方向へと右に行く。

右には、大岳山、御前山の山々が。



少し行くと底沢峠。

13時41分。

引き返す様に左に下りていく。



かなり急な道を急ぐ。

人の気配のまるでない道だが良く整備されている。



底沢峠からは神奈川県。

ガンガン下っていくと中央高速が見えてくる。



14時41分、底沢の村落に着く。

少し行くと車道に出る。



絶世の美女照手姫で有名な美女谷温泉は簡素な造りの温泉だった。

小栗判官と照手姫の話で、去年熊野古道を歩いた時のつぼの湯を思い出す。

熊野詣では、以前勝浦の人形浄瑠璃で見た事がある。

あの時は、何故遊女が、小栗判官を熊野のつぼ湯までひっ゜っていくのか良く解らなかった。

峠の上から身投げしたら観音様が現れて万歳万歳となったのは覚えている。

なんか、捨身ヶ嶽禅定の弘法大師の話とよく似ていたなあ。



美女谷渓谷の流れを見ながら高速の下をくぐる。



此処に小仏山や小仏峠から降りてくる道がある。



見上げると小仏城山の頂上のアンテナが少し顔を出している。

甲州街道に出て、相模湖駅を目指す。



甲州街道の登りは疲れた足に応える。

やがて小原宿本陣に着くが今日は定休日。



相模湖を見ながら行くと、ぐるっと回って相模湖駅に着く。



駅前で、缶ビールとつまみを買って15時37分に駅に着くと、丁度ホリディ快速が出たばかり。

ふらふらしていると、今朝京王線の車内でお会いした老夫婦とまたお会いする。

この方は1ヶ月前にも車内でお会いした。

今日は藤野から陣馬山に登り、明王峠から下りてこられたらしい。

毎週山に登っているらしいが、しっかりした革の登山靴と、上品な話し方が印象に残る。

関東に来て、山でお会いした方と再会するのは初めてだ。

これからこういう機会が増えてくるのだろうか。

16時3分の東京行きで、ビールを飲んでいい気持ちになり帰る。

次は、南高尾の尾根も歩いてみたいなあ。







総歩行距離約19.7q

累計標高差 1300m
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