箸蔵街道 二軒茶屋 2005/03/12
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− 小雪の舞う箸蔵街道、寡黙な山男の親切が暖かかった −

柴犬のバンダナ君が心配

底冷えのする朝を迎えた。
風もビュービュー吹いている。

先週作った足のマメも、少し気になるし、手短で風に吹きさらしにならない所と言うことで、
箸蔵街道を散策することにする。

昨年の台風で長い間通行止めだったが、香川県のHPでは通行止めは消えている。

9時20分財田駅に到着。



何時も停車するタブの古木の下は、乗用車で満車。

10名ぐらいの登山客が9時30分の箸蔵行きの汽車を待っている。
箸蔵から財田に向けて歩くつもりなんだろう。

駅舎の横の箸蔵街道の看板に、台風被害のため全面通行止めの張り紙がある。

グループのリーダーらしい方にお聞きするが、昨年通行止めだったこともご存じなかった。

多分、張り紙を剥がし忘れているのだろうと、出発することにする。

私達はこちらから出発するので、通れたら途中ですれ違うでしょうと言って別れる。

その時、若い男性が、赤ちゃんの抱っこ袋のようなものの中に、柴犬を入れているのが見えた。

汽車に乗るので、そのような格好をしているのだろう。

とても犬好きな方のように見受けられた。



9時30分過ぎ出発。
桜の古木は、まだツボミも付けていない。
昨日高知の吉川村の桜が3部咲だったのと比べるとずいぶん遅い。



JRの踏切を越えて、山に向かって田圃の中の農道を上がっていく。



まだあせ道の野草は少ないが、ムラサキサギゴケを見つけた。
トキワハゼを少し大きくしたような花だ。

池にはガマの穂が綿になっている。

昔、因幡の白ウサギの話を聞いた時、やけどをしたウサギを、ガマの穂でくるんだいうのを聞いて、
あんな棒みたいなのでくるんで、変だなと思っていたが、多分このガマの穂の綿でくるんだのだろう。



山道にはいると梅の花が満開。

百丁石を見ると、これから百丁(約11q)歩くんだと気が引き締まる思いがする。



箸蔵街道の看板まで来ると、倒木や、土砂が横に片づけられているが、台風の被害の大きかったことが解る。
看板も、土砂で埋まっていたらしく、表は綺麗にされているが裏側は屋根まで土砂がへばりついている。

しばらく、崩壊跡を登っていく。簡易ではあるが修復されていて、歩くのには支障はない。



最初のピークを越えて、林道工事の場所に来る。

ここは、この右まで立派な舗装道路が来ているが、この左はずっと工事中で林道が奥に延びていた。
しかし、昨年財源不足で、工事無期延期となったところだ。

ロープの張り紙に、未供用のため通行禁止と書いてある。



登山道もロープで通せんぼ。
しかしビニールの中にあったであろう、通行止めの紙はどこかへ飛んでしまっている。

一寸躊躇するが、かまわず進むことにする。

ここから見る仲南町の竜王山の山並みは美しい。



昨年やっと工事が終わった部分の林道は、早くも土砂崩れで埋まっている。

このまま放置されるのだろうか?



讃岐富士は、どこから見ても美しい姿をしている。
讃岐富士の右手前に、先週登った猫山が見える。

左から、猫山、大高見峰、竜山。

この方向からだと竜山が鋭い三角錐に見える。



何カ所か大きく崩落している。

立派な杉の林も、倒れたり傾いたりしている。



第一のベンチで休憩しようとするが、強風のため寒くて座ることも出来ない。

疲れを我慢して、第二のベンチまで行くが、此処でも風がゴーゴー言って座っていられないほど寒い。

この街道で一番好きな場所、真っ直ぐなやわらかい道がずっと続く。

やっと展望台に着くが、周りの景色を見てコーヒーをすすっただけで出発。



展望台からは、七宝山から紫雲出山、大麻山などずっと見渡せるが、残念なことに霞んでいる。



風の音が益々すごくなってくる。

やっと六十八丁の丁石。あと箸蔵寺まで7qほど。

お薬師さんの石像まで来ると、石仏峠はもう目の前。

赤いジャッケの若い女性が一人、急ぎ足で下りてきた。

地図を片手に、一目散に下りていった。



丁度11時、石仏峠(738m)に到着。
1時間半かかっている。

いつものように、たぬきの伝説のある石仏にお詣り。

初老の男性が一人、登ってきた。
7時のJRで、箸蔵駅まで行き登ってきたとのこと。

前回は、此処まで、4時間かかったが今日は3時間でこれたと喜んでいた。

女性が道に迷っていたので、道を教えたが、出会ったか聞かれたので、先ほどすれ違ったと言うと
良かったと言ってそのまま、財田に向かって下りて行かれた。



益々風がキツくなり小雪も舞いだした。
枯れ葉の上に粉のような雪が、少しずつ目立ってきた。

竹林が見えてくるとやがて二軒茶屋に着く。

今日も小屋の主はやって来ているみたいだ。軽四トラックが止まっている。



11時30分二軒茶屋(631m)到着。

少し早いが、お弁当にしようと小屋の軒先に座ろうとするが、軒先でも風が吹き付けてくる。
突然、向かいの山主さんのおじさんが顔を出し、そんな所じゃなんだから、中に入って食事しなさいと声をかけてくれる。

今まで何回も顔を見かけたが、寡黙な方でお話ししたことはない。

せっかくのお声がけなので、小屋に入れていただく。

中は、1/3くらいが土間で、残りは板の間になっている。

石油ストーブが一つ。大きな火鉢が一つ。

ほかにコンロが二つ。全てに火が入れられていて、薬缶がかけられている。

お茶を勧めていただき、おむすびの弁当を広げる。

やはり無口な方で、黙って新聞を読んでいる。

テレビがついているのでお聞きすると、広島の放送1局だけが映るそうだ。

段々お話しをしていただいて、昔おばあさんが此処に住んでいて、子供の時はこの周りを走り回って遊んでいたそうだ。

3軒くらい家があり、前の家に20年くらいまえまで、おばあさんは住んでいたとのこと。

現在は、仁尾にお住まいだが、週末には此処にやってきて、林の手入れや野菜作りをしているそうだ。

今日は、草を刈ろうと思ってやって来たが、余りにも寒くて、草刈り機のエンジンがかからないので
じっとしているしかないと残念そうだった。

この地をよほど愛されているのだろう。

お弁当を半分食べて、お暇することにする。

この先の馬除にも7年前までおばあさんが住んでいて、時々家族が孫を連れて来ていたが、
おばあさんが亡くなって、家も傷んでしまったと嘆いていた。



二軒茶屋を12時に出発して菜園の横を通り過ぎると強烈な風で、トンでもなく寒くなってくる。

軽く氷点下になっているのだろう。

イボ地蔵への分岐の手前で、今朝駅でお会いしたパーティにお会いする。

道が通れることをお伝えすると皆さん喜んで居られた。

かなりバラけて、小さな子供連れのおじいさんと最後にすれ違った。

アレッ柴犬君がいないね?と家内に話しながら林道との分岐に着く。

正面に雪を被った中津山や、国見山が見える。




ふと見るとバンダナを首に巻いた柴犬君がいる。まだ子供だ。

先ほどのパーティとすれ違って、もう10分以上経っている。

そのまま、先ほどのパーティを追うように走り去っていったが、しばらくするとものすごい勢いで戻ってきた。

馬除の廃屋まで来るとまたこちらにやってくる。

道に迷ったのか?先ほどのパーティの犬なのか?
それとも朝犬を抱いていた人は単独行で何処かで別にいるのか?

犬を見失って、箸蔵寺辺りで待っているのか?

柴犬君に「ご主人はどうしたの?」と聞いても首を傾げるばかり。

すでに泥だらけになっている。



仕方がないのでそのまま進むが、うろうろしながらも着いてくる。

箸蔵寺の寺領には入り、緩やかな坂を下っていく。

柴犬君が崖の下を覗き込むと、誰か倒れていないか心配になり私達も覗き込む。



柴犬君に引きずられるように、ひたすら下っていくと、やがて一升水に着いた。
蓋をした井戸に足を乗せているので水が欲しいのかと思い、井戸から水をくんでやる。
綺麗な水だが少ししか飲まない。

やっと箸蔵寺に着く。



金刀比羅宮の奥の院にお詣りしてから、休憩所でコーヒーブレイク。

柴犬君がじっと座って、悲しそうな顔をしているのでお腹がすいているのだろうと、
おにぎりの残りをやると、急いで食べて喉に詰まらせた。

まだまだ欲しいとねだるので、おにぎり二個、ソーセージ、唐揚げ、そしてあんパン一個ぺろりと平らげた。

まだまだ欲しいとねだるが今日は、余分の食料を持ってきていない。

ご主人が此処で探して待っているのなら、そのうち来るだろうと思って30分ほどいるが、それらしい人はやってこない。

予定では、天気が悪いので、ここから駅まで下りてJRで財田駅まで帰るつもりだったが、思案に暮れる。

先ほどすれ違ったパーティにご主人がいるのなら探しに戻ってくるだろう。

それなら引き返して連れてやってやらなければならない。

もしかしたら、箸蔵寺で飼われている犬かも知れない。
それだったら、もう付いてこないだろう。

1時30分に財田に向けて引き返す。

やはり、柴犬君は私達に付いてくる。

しっかり連れてかえってやろうと思って一升水まで来ると、柴犬君はしばし考え中。
突然箸蔵寺に向かって 、走り去ってしまった。

やはり、箸蔵寺に飼われている犬だったのかなあ??

と後ろを振り返りながら緩い坂を登っていく。



粉のような雪が横殴りに降ってくる。

中連寺峰も、雪に包まれている。

林道の交差点まで来ると、道標にシャツと手ぬぐいが結びつけられている。行きに通った時はなかったはずだ。
牛乳パックが口を開けて置いてある。

アレッと思いながら、林道の次の分岐点にも、サンバイザーとパンと牛乳が置いてある。

これは、柴犬君のご主人が、食料と自分の匂いの着いたものを置いてあるのだろうと気が付いた。

理由は解らないが、柴犬君を見失ったご主人が此処まで探しに来て、目印と食料を置いたのだろう。

でもこの場所に柴犬君がやってきて、ご主人の持ち物に気が付いて此処に留まってしまったら、
この場所は風の吹きっさらしの場所だ。この寒さでは、夜は越せない。

どうか、箸蔵寺で誰かに保護されていて欲しい。
山道にだけは迷い込まないで欲しい。

もしかしたらご主人は、柴犬君が元の場所に引き返して、箸蔵駅あたりで待っているのではないかと
車で箸蔵まで探しに行っているかも知れない。

どうか何処かで出会って欲しい。



二軒茶屋まで帰ってくると、雪は益々横殴りに降ってくる。

山道はあっという間に白くなってくる。



石仏峠を過ぎてひたすら下っていく。行きには気づかなかったが、
山道の両側には馬酔木の木が沢山植わっていて、つぼみが開きかけている。
もう少しすると此処は馬酔木のトンネルになるだろう。

疲れの来た足をかばいながら、5時17分財田駅に着くと誰もいなかった。

柴犬君のためもっと的確な対処方法があったのだろうか?
今晩の寒さのことを考えると心が痛むが

柴犬君が無事ご主人と出会えることを祈るしかない..

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