川苔山 2005/9/3

− 初秋の涼を求めて、滝と渓谷を楽しむ −

先週の大菩薩峠の筋肉痛が未だ少し残っているが、天気も良さそうなので山歩きに出かける事にする。

今週は、少し楽な山にしようと計画するが、近辺に残された山で、そう楽な山はない。

せめて涼しい所と言うので、奥多摩で一番と言う、滝で有名な川苔山に決定。




8時半のバスに乗るために、5時半前に出発。

先週教えていただいたホリディパスを購入。

このパスは一日の間なら東京近辺のJRが、2300円で乗り放題。

新宿で6時30分の中央特快に乗ろうとしたら、一寸したミスで乗り遅れ6時44分の特快に乗る。

立川で乗り換え、青梅で乗り換え、奥多摩駅に着いたのはすでに8時48分頃。

臨時バスがあるというので喜んだが、9時14分着のホリディ快速奥多摩の到着待ち。

なんの事はない。1時間ほど遅く(新宿7時44分発)出発した電車と同じ時間になってしまった。

こちらでは普通料金で乗れる電車で特快とかホリディとか付いている電車は、目的地まで直行で

非常に早いが、普通や快速などの電車を乗り継ぐととても遅くなってしまう。



奥多摩駅のホームは登山客で一杯。

駅舎は一寸レトロで良い雰囲気。

すでにタクシー乗り場は長蛇の列。

月一登山を楽しむ人は、タクシー代をケチらない??



向かいのバス停からは、先週登った大菩薩峠へ旧青梅街道から登るため
小菅か丹波(タバ)の登山口へ向かう。

臨時バスがあって喜んだが、結局8時20分にホリディ快速の客をぎゅうぎゅう詰め込んで出発。



10分ほどで川乗橋に着く。

此処で降りたのは20人弱。

他の乗客は、更に奥の山(鷹ノ巣、雲取山)に登るのだろう。

立派な林道は固く閉ざされている。

聞けば、10年ほど前、谷の大崩落があってそれ以来通行止めだとか。

しかし、立派に舗装されている。



9時33分出発

標高410m。

ここから、標高1363mの頂上まで標高差950m程ある。

川苔谷にそって林道を行く。

この川苔谷では、昔、川苔が採れたそうだ。

この川苔谷の上にあるから、川苔山と呼ばれている。

しかし、この橋の名前が、川乗橋と書かれているように、現地の看板、標識は全て

川乗山」と書かれている。

それに引き替え、ガイドブック登山地図は全て「川苔山」と書かれている。

此処まで徹底して、現地と書物が反発しているのは珍しい。



素晴らしい渓谷の景色を見ながら歩く。

黒くて青い模様の入った大きなアゲハ?飛び回るのが早い。

やっと写せた一枚だが、なんのコッチャ?



何処までも美しい渓谷が続く。水量がとても豊富だ。

タマアジサイが満開。



マツカゼソウが風に揺れている。

これからは行っていく山域はとても深い。



25分ほど歩くと特異な形をした大きな岩がありプレートが埋め込んである。

この岩の下に聖滝と言う素晴らしい滝があって、その洞窟に探検に入って、
未だ出てきていない学生を偲んでいる。

覗き込んでも滝は見えない。



林道歩きはとても暑く、早足の先行者二人についていくと、他のグループは遙か遅れて見えなくなった。

堪忍してくれよと言い出したくなる頃、二つめの橋(細倉橋)を越えると登山道入り口に着いた。

10時12分此処まで約40分かかっている。

標高640m。未だ先は長い。



沢を何回も越えながら進む。

見事な滝がいくつも出現するが、三脚を持っていないのできちんと写せないのが非常に残念。



沢を渡る所には立派な橋が架かっている。



沢を渡るのに降りていって、沢を渡るとまた登ると言う事の繰り返し。

段々と疲れが溜まってくる。



沢筋を行く時は涼しいが、沢を離れると蒸すような暑さ。

所々に湧き水があって、とても冷たく美味しい。

頭から水を被り、首筋を拭きまた登る。



時には沢の中に入っていって、濡れた岩を這い登るように越える。



綺麗な淵があり小休止。

幾筋もの滝が流れ落ちている。

10時29分。

此処で大変な事発見。

右のトレッキングシューズの底が、1/3程剥がれかかっている。

こりゃ、REIKOさんの二の舞かな?

ガムテープは持ってきていないし、もし剥がれたら大変だ。

と言っても、対策はないので、なるべく負担をかけない歩き?をしなければ...

思い起こせば、2年前の雪の日に伊予冨士に初めて履いて行って、

踵に大きなマメが出来て、半泣きで降りてきてから、もう何回山を共にしてきただろうか?

100回を越す山歩きに、私の体重を支え続けてもう限界だ。

明日はシューズを買いに行かなければ..

また靴ズレするか心配だ。



立派な滝壺を持った滝が次々と現れる。



見飽きる事のない美しい景色だが、先に進まなければならないのが残念。

沢登り用のロープが所々に残っている。

この沢を上り詰めていく人もいるのだろう。



小さなヤマジノホトトギスが踏みそうな所に沢山咲いている。



しばらく沢を離れて進む。

危険なガレ場には、橋が架かり良く登山道が管理されている。



大きな沢にはいると突然行き止まりとなり、右に大きく迂回する。



大きな岩を右にはい上がると、百尋ノ滝の看板が..

左下に滑りやすい木の階段を二つほど下りると、目の前に百尋ノ滝。

11時丁度。

標高843m

此処で先行者の男性に追いつく。



高さ40mの滝が、豊かな水量をたたえて流れ落ちている。

素晴らしい滝だ。

この滝は、つい最近まで土砂崩れのため近くに寄れなかったらしいが、今は滝壺の直ぐ下まで近づける。



今までの暑さが嘘のような涼しさ。

たっぷりマイナスイオンを吸収する。

この滝を見る事が出来ただけで今日の山歩きは大満足。



滝の下流を見ると、右岸がかなり上から崩落しているのが解る。

以前は二段の滝だったらしいが、此処まで復旧して美しい姿を見る事が出来るのは幸せだ。

少し休憩して元気回復。

急な階段を上っていく。



尾根に乗っかった所に祠がある。

また尾根をはずれて登っていくが、此処から急登が始まる。



1092mまで上り詰めると、今度は下り。

今日初めて下山者と合う。



沢まで降りてまた登ると、分岐に出る。左へ行くと、日向沢の峰、川乗山。

右に行くと、足毛岩の肩、川乗山と書いてある。



左を見上げると若い男女が登っている。

私達も後を付いて登る。

しばらく登るが心配になりガイドブックを見ると、日向沢への道を左に分けて沢筋に向かうと書いてある。

そして東の肩に向かうと書いてある。

「ああやっぱり何とかの肩に行かなければあ〜}

こりゃ大変とまた引き返し、沢に降りていく。んがあ〜(誰かの真似?)

ドンドン降りていくおかしい???



沢で顔を洗い、またドンドン登っていく。



12時15分、足毛岩の肩に着く。

何とかの肩には小屋があり広いと書いてあったが、そんな気配はない。

もう一度ガイドブックをよく見る。

えっ!ガイドブックには「東の肩」に向かえと書いてあった

此処は足毛岩の肩。とんだ肩違い。



鳩ノ巣駅への道は通行止め。

仕方がないので川乗山頂上を目指す。

しかしかなりの急登。

香川のまじめな直登コースを思い出す。



しばらく歯を食いしばって登っていくと、開けた所に出る。

ミヤマママコナの大群落がある。



大川山の頂上直下にもシコクママコナの群落があるが、此処のは桁違い。

一面絨毯のように咲いている。

しかもずっと向こうまでミヤマママコナ(シコクママコナそっくりだが、場所柄ミヤマママコナだと思う)ばかり。



余り多すぎてアップの写真を撮る時に良く確認しなかった。

アップの写真は虫食いばかり..



やっと川乗山の頂上が見えてくる。

広い防火帯を直登するが、かなり傾斜が強い。

家内の足取りが前に進まなくなってくる。

私もイッパイイッパイになる。



振り返ると奥多摩の山々が綺麗に見えている。

見上げるような斜面の上にはノンビリした登山者の姿が見えている。



やっと最後の岩場を登ると頂上

13時4分着。

丁度3時間半かかっている。



中央(西北西)に三つの峰を持つ際だった山が見える。

この山が三ツドッケ(天目山)1576m。

この奥多摩近辺にはドッケと名の付く山が多い。

その昔、朝鮮半島から渡来してきた人達が、この山々を見上げて故郷の山を思いやったのだろう。

この川苔山からは、日向沢の峰1356m、蕎麦粒山1473mを経由して縦走出来るらしいが

ずいぶん遠くに見える。

雲取山2017mは、三ツドッケの左後ろに霞んでいる。

ここから雲取山まで縦走すると、どのくらい時間がかかるのだろうか?

大菩薩嶺は見分けがつかない。



記念撮影してから木陰で、昼食。

喉が渇きすぎておにぎりが喉を通らない。

お茶をガブ飲みしてからしばらく横になる。

芝生のところで寝たいが疲れて動く気がしない。



数分うとうとして上を見上げると青葉が綺麗。

やっとおにぎりを二つほど食べて、元気を取り戻す。



13時47分出発。

登ってきたのと逆の方向に降りる。

最初は一寸急坂。



少し下ると、崩れかけた小屋と、分岐がある。

此処がガイドブックにあった東の肩か?

左から先ほど途中で引き返した山道が登ってきている。

真っ直ぐ行くと日向沢の峰。

右へと鳩ノ巣駅を目指す。



「遠回りして、嫌いな防火帯の直登をして」等々しかられて、今度は間違いないの?と振り返りながら聞かれる。



本仁田山への分岐を二度ほど見送って、ドンドン下がっていく。



朝は沢筋を行ったので水がふんだんにあったが、この道は涸れ沢ばかり。

左が崖の場所で、家内が古い木の階段に引っかかって転倒。

頭から前に転んだので一瞬ひやり。

丁度、広い場所で崖下には落ちなかって一安心。

崖はかなり傾斜がきつく、もし落ちれば大変な事になっていた。

その後は、より注意して下っていく。



振り返ると川苔山の姿が見えている。



水平な脇道を小一時間もドンドン行くと、小さいが立派な社に出る。

此処が大根の山の神。

広場があって休憩。

15時41分

此処まで2時間近くかかっている。

センニンソウが沢山咲いている。



山の神からまた急坂を下りるとやっと山里が見えだした。

向こうのとがっている山は城山790m



山道は山寺の境内の横で終わり、鳩ノ巣の民家の中の急なコンクリート道を下る。

線路を渡り、先々週見た道標まで帰ってきた。

16時23分鳩ノ巣駅着。

帰りは2時間40分程かかっている。



駅前の洒落た売店で、冷えたビールを一気飲みする。

隣は居酒屋になっているらしい。

おばちゃんに今日は暑いねと言うと、冬は寒いよと言う。

どのくらいと聞くと、とんでもない寒さだとか..

駅に行くと電車が来たが、これはホリディ快速奥多摩で通過。

普通列車でトコトコ帰り、風呂場で体重を量ると4sもやせていた。

また、ビールを飲んで回復しようかな??



歩行距離16.2q

標高差+1198m −1302m


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