九鬼山くきさん 馬立山 御前山 神楽山 2006/2/18

− 道志第一主陵の九鬼山970mから馬立山、御前山、神楽山を行く −

久しぶりに今週は出張がなかったので、土曜日の山歩きとなった。

前道志の山は、以前高畑山から倉岳山、矢平山の稜線を辿った。

今日、九鬼山から高畑山まで歩けば、前道志山系の西から東までが繋がる。

しかし、迷った末に、前道志第一主陵である、九鬼山から神楽山までの尾根を歩く事にした。

この尾根は、九鬼山から真北に猿橋駅に向かう、地図上では何の変哲もない道にも見える。

5時半頃に家を出て、地下鉄に乗り、6時44分新宿発の特別快速で高尾。そして河口湖行きに乗り換える。

禾生(かせい)駅に8時44分着。

禾生駅は小さな駅で、女性の駅長さんが一人で切り盛りしている。



小さな待合室には、火鉢に炭火があり鉄瓶の湯がシュンシュン沸いていた。

流石女性駅長さんらしい心使いだなあ!

構内のトイレをお借りして、8時50分出発。

一緒に、男性四人組が下車して、行き先も同じ九鬼山から猿橋駅らしい。

一緒に行けるかなと思ったが、かなりノンビリペース。

お先に失礼して先を急ぐ。



車道(国道139号富士宮市から河口湖を経て奥多摩に至る)に出て左に曲がると目指す九鬼山は雲の中。

朝日川に架かる落合橋を渡って直ぐに右に折り返す様に進む。

目の前に、レトロな煉瓦造りの落合水路橋(7連アーチ矯)が見える。

東京電力駒橋発電所への送水路で、水路橋は明治40年に造られたようだがまだまだ現役のようだ。



正確には駒橋発電所落合水路橋と言い当時は麻布方面に電力を供給していたとか。

この橋の上の水路を桂川水系の水が今でも、ものすごい勢いで流れているという。

文化財の指定を受けている。



水路橋をくぐり直ぐに左に行くと杉山新道との分岐がある。

愛宕神社経由の登山道は、足の後ろの筋が切れそうな程の急坂だと言うが時間は半分位で登れるらしい。

讃岐の直登コースで鍛えられた私達、相栗峠と比べてどのくらいのものか?

当然左へと行く。

9時5分



リニアモーターカーの線路?が目の前にある。

直ぐに愛宕(九鬼)神社に着く。



この神社は九鬼氏が建てたものらしい。

此処の九鬼氏は九鬼水軍とは関係がないらしい。

最近立て替えられている。



神社の横から登山道が始まる。

道端に落ちていたこの実?は今日の山歩きの間あちこちに落ちていた。

いったい何の実だろうか?

やっと名前が解りました。

ツチグリ(ツチガキ)と言ってキノコの一種らしいです。

変わったキノコもあるモンだ。

リニアモータカーの線路が高川山の山腹に突っ込んでいるのが見える。



杉やアカ松の植林地帯が続く。

やっと気持ちの良い自然林に出て少し行くと尾根筋に出た。

左から田野倉駅からの展望尾根経由の道が交わる。

9時40分



右へと快適な尾根道を行く。

正面に三ツ峠山がそびえている。



9時46分。これが噂の急坂か?

小休止してコーヒーブレイク。

根性を入れ登ろうと思ったら直登コースの横にジグザグの新道が出来ていた。

おまけに雑木で階段状になっていて、どおって事無い坂道だ。

(直登路を登らない軟弱な私達)



急坂?をのぼりきると天狗岩の看板。

右へ少し横道を行くと、一寸した岩があり都留市の展望がよい。

雁ヶ腹擦山、三つ峠、滝子山が目の前に見える。

足元には桂川沿いの谷が続いている。

讃岐富士の展望岩を思い出す。



高川山も目前に綺麗な姿を見せている。

もう一度、急坂を上り詰めると杉山新道からの登山道と出会う。



右に行くと富士見平があり、男性が二人、料理を広げて酒盛りの最中。

正面の御正体山の右にでっかい富士山が見えるはずだが、雲の中。



またもとの道に引き返し少し行くと九鬼山頂上

10時34分着。



扇山、百蔵山をバックに記念撮影。

百蔵山の左奥には権現山がそびえている。

丸太のテーブルでコーヒータイム。






白い箱の中には登山記念ノート。

東京の山には珍しい。

毎日の様に書き込みがしてあった。

これもまた珍しい温度計。

四国の山にはあちこちにあった事を思い出す。

丁度0度を示している。



岩殿クラブの設置したにぎやかな道標。

ここから高畑山まで4時間30分。そこからの下りも入れると帰着までにはは6時間以上必要だ。

今からでは一寸無理。

馬立山経由で猿橋までは3時間30分とある。(厄王山経由は神楽山より少し手前から猿橋に向かうらしい。)

やはり計画通り猿橋に向かう事にした。

  この九鬼山には桃太郎伝説がある。百蔵(ももくら)山の桃の木から落ちた果実より桃太郎が生まれ、

犬目(上野原)で犬、猿橋(大月)で猿、鳥沢(大月)でキジを家来にして、

九鬼山の鬼を退治したと言う話になっている。

   何か無理矢理こじつけた様な感じ...
  


頂上から北を見ると扇山から百蔵山までの稜線が翼を広げた様に見える。

扇山から百蔵山への登り返しはキツかったなあ..

その手前下にこれから行く馬立山、御前山などの山並みが見える。

扇山の左奥には権現山のとんがりが際だって見える。



10時51分出発。

急な岩のヤセ尾根を下る。

ロープがあるが、慎重に降りないと霜柱の解けた岩道はとても滑る。

此処で3人のパーティと、単独行の男性とすれ違う。

猿橋のバス停への道を右に見送ってぐんぐん下ると、ザレた場所に出る。



ロープが設置されているが、その後またザレタらしく、ロープの大半がガレキに埋まってしまっている。

どおって事無いが、気を抜くと滑りそうで嫌な道がしばらく続く。

所々凍っていて、知らずに足を乗せると思い切り滑る。

御前山から神楽山そしてその向こうに扇山、百蔵山。



やっと気持ちの良い道になったら嫌な看板。

新しいのがいよいよ不気味

でも今は冬眠しているはず?

クマさん出てこないでね。



広い気持ちの良い場所に出ると其処は紺屋の休場

花が咲くらしくロープであちこちと囲ってある。

花の季節に来てみたいなあ..



高川山、滝子山の眺望が素晴らしい。



快適な落ち葉のクッションの道を行くと田之倉への分岐がある。

前方から単独行の男性登場。

なんと本を読みながらやって来た。

ちらっと覗くと「こうして地球は誕生した」という本だった。

宇宙の謎をひもときながら山歩きをするなんて!!



しばらく行くと窪んだ様な陰気な場所に出て、左右に山道が交わっている。

此処が札金(さっきん)峠。左に行くと札金鉱泉、右に行くと朝日小沢と記されている。

掘れた道で最近は余り通っていない様だ。

真っ直ぐに猿橋方面に登る。



キツイ坂をエンヤコラ登ってやっと頂上に着いたと思ったらニセピーク。

ピークから下ろうとすると、4人のパーティが登ってくる。

道が細いので待っていたが、なかなか登ってこない。

かなり疲れている模様。

ついに先頭の会長と呼ばれている方が「飲んで飲まれて〜」なんて歌い出した。



やっとパーティを交わして急坂を下りまた登り返す。

また、ニセピークに着くと左に田野倉駅への踏み跡がある。

右へと直角に曲がると、九鬼山がはるか遠くに綺麗な三角錐の姿を見せている。



やっと傾斜の緩くなった道を行くとやっと馬立山到着。

12時30分。

此処で昼食にしノンビリする。

枯れた木の枝に栗のイガの様なのが一杯付いている。

何だろう?



12時51分下山開始。

また急坂を下りていく。

目の前に高畑山から、倉岳山への稜線が覗いている。



頑張ってのぼり返すと沢井沢の頭。

少し下ると、菊花山の標識。

そのまま左に行こうと思ったが、不安になり地図を見る。

この道は菊花山経由で大月駅に出る道だった。



分岐に引き返し右に東へと下る。



開けた尾根筋となり、左に岩殿山(戦国時代の城跡)が見下ろせる。

大月駅で何度も見てきたが、上から見下ろすのは初めて。

その向こうに見えているのは、宮地山、奈良倉山その奥には雲取山も覗いている。

左には雁ヶ腹擦山、黒岳。



右には百蔵山の向こうに権現山。

遙か向こうに三頭山。



突然目前に大岩が立ちふさがる。



かすかな踏み跡が岩を登って行っているが、岩の右下に細い巻き道がある。

私達は、この巻き道を行く。

後ろで足音がしたと思ったら、単独行の男性が岩を直登し、追い越していった。



駒橋、大月駅の分岐を過ぎて行くと猿橋への道標に「この上御前山」とマジックで書いてある。

左に道が続くので行こうとしたがどうもおかしい。

振り返ると逆の東方に岩がそびえて、先ほど追い越していった男性が汗を拭いているのが見える。

あわてて引き返し岩を登る。



御前山の頂上は、丸く風化した岩の固まり。

素晴らしく眺望がよい。



九鬼山から馬立山と今日歩いてきた稜線が西に見える。

天気が良ければ、富士山の大きな姿も見えるはず。



南には、矢平山、倉岳山、高畑山の稜線、

そして高畑山から九鬼山への私達は未だ歩いていない稜線が続く。



先ほどの男性は倉岳山、高畑山を経由して九鬼山、馬立山と縦走してきたらしい。

しばらくゆっくりして富士山が見えるのを待つが、御正体山の右上に薄く頂上が姿を見せて居るだけ。



13時57分下山開始。

一旦下って登り返すと、猿橋駅への分岐。



右へと少し岩をよじ登っていくとCATVのアンテナのある神楽山の頂上に着く。

14時14分。



少し景色を楽しんで元の分岐まで戻り、猿橋まで降りていく。

御前山の頂上が鋭い岩峰である事が良く見て取れる。



今日始めて見たお地蔵さん。

よく見ると馬頭観音の様だ。

右下には扇山と猿橋の大規模造成地が見える。

既に半分位は住宅が建っている。



意外と急な山道を下る。途中でガムテープに惑わされて道を失うが、とにかく真っ直ぐ尾根を下って行く。

霜が解けてぬかるんでズルズル滑る。

靴に泥が付いて、団子の様になった。

途中で珈琲を飲んでゆっくりしていると4人のパーティに追い越された。

15時12分階段に飛び出す。

造成地への車道に登山道が分断されている。



後は、車道を猿橋駅まで歩く。

トンネルを越えると直ぐに右折。

マンホールには猿橋と富士の絵が。



右折して直ぐに団地へのモノレールの駅がある。

此処を左折すると目の前が猿橋駅。

15時26分着

ビールを買おうと思ったが売店は無し。

ホームに出ると直ぐに15時29分の東京行きが来た。

今日は、いつもより短い行程だったが、急登有り岩場有り、ガレ場ありの楽しい山歩きが出来た。





総歩行距離11.4q

累計標高差 +1047m −1143m
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