三頭山 みとうさん 2005/11/19

− 奥多摩三山最高峰1531m ブナの巨木が素晴らしい 富士山の眺望に歓声が上がる −

週末から急に寒くなってきた。北海道や東北は雪らしい。

朝起きると、星がいつになく多く輝いている。

今日は、奥多摩三山(三頭山、御前山、大岳山)の中で標高が最も高い(1,531m)三頭山に出かける事にする。

いつものように中央線に乗るが、電車は満員で座れない。

紅葉狩りに出かける観光客で混んでいるのだろう。

吉祥寺近くになると西方に、素晴らしい富士の姿が見える。

こんな町中でも富士が見える事に驚く。結構大きく見える。

立川、拝島で乗り換え五日市線で最終の武蔵五日市駅へ向かう。

五日市線は始めて乗るが、青梅線と違って、広々とした栗畑が広がる。

8時少し前に武蔵五日市駅に到着。

トイレから出てくると、臨時バスがまさに出発しようとしていた。

8時5分出発。満員でまた座れない。



五日市駅はゆったりとした広い駅前。

一時間余りバスに揺られていく。急カーブで踏ん張るため早くも足が疲れてきた。

考えてみれば、朝5時半頃家を出てから、ずっと歩いたり立ちっぱなし。

9時丁度に都民の森に着いた。

此処は約1000mの標高がある。

都民の森は、奥多摩のかなり奥まった所にあるが、木工館とか色々整備されている。

素晴らしい滝もあるそうだ。

この車道を真っ直ぐ行くと月見山を経由して奥多摩湖に出る。



9時5分出発。

森林館に向けて、カラー舗道を行く。

この舗道の右や左にも遊歩道があり登る事が出来る。



鞘口峠に向けていくと、ニホンジカ捕獲の案内がある。

東京都の山にはニホンジカが急に増えて今2000頭ほどになっているらしい。

植林の若木を食べるので、山肌が崩壊したり、ワサビも全滅しそうになっているらしい。

そこで今年からニホンジカの捕獲を解禁して自然のバランスをとりもどそうとしているとの事。

捕獲といっても猟銃で撃ち殺す訳だから、かわいそうだし登山者には危険だろう。



炭焼き小屋や木工体験館がある。



チップの敷き詰められた歩きやすい道を行くとスポーツ歩道?に出る。



9時27分あっけなく鞘口峠に着く。

此処を右に行くと、里山の路、風張峠を経て月夜見山経由御前山。

真っ直ぐ行くとイグチ沢、山のふるさと村経由奥多摩湖。

左へと登って行く。





ブナの路と名付けられただけあって、素晴らしいブナの巨木が多い。

このブナはイヌブナらしい。



一寸きつい道を行くと分岐がある。親娘が仲良く登っている。

小高い所があり、登って行くと見晴らし小屋に着く。

先日登った、大岳山から続く鍋割山、奥の院の特徴あるとんがりの向こうには東京都内が一望出来る。



一旦ピークを下りて三頭山を目指す。



ここにもブナの巨木が多い。

標高の高い所ではもうすでに葉を落としている。



中央峰へ向かわずに東峰に向かう。

階段を上ると展望台がある。



前方に鍋を被ったような大岳山(八王子近辺からだとキューピーの横顔に見える為、キューピー山と呼ばれているらしい)

そして右に伸びる稜線を辿ると、鍋割山と奥の院の山のピークが仲良く並んでいる。

訂正:カシミールで確認すると、鍋割山と御岳山の奥の院は大岳山の後ろ側になって見えない。

二つのコブは馬頭刈山とその手前の916mのピークだろう。

東京都内のビル群もよく見える。

丁度、馬頭刈山のピークの向こうが新宿。



木々の向こうに素晴らしい冠雪の富士山が覗いている。



東峰を一旦下って、御堂峠におり階段を少し上ると中央峰に到着。

10時37分。

すでに大勢の人が登ってきている。



正面を見ると、素晴らしい霊峰富士の姿が!!

思わず感嘆の言葉が出る。



しばらく富士に見とれてから頂上を散策。



北には、奥多摩湖が美しい。

その向こうには、奥多摩の山々が屏風のようにそびえている。

岩茸山、川苔山等懐かしい山々もある。

左上の目立ったピークは鷹巣山。



富士の手前には、左から御正体山、そして先日登った百蔵山。

そして、右手前にはアンテナ群のある三ツ峠山。

少し早いが、富士山を正面に見ながら、お弁当にする。

何でもないおにぎりが、どんな料亭の料理よりも美味しい。

コーヒーを飲んで至福の時を過ごす。

こんな贅沢は、街にいては味わえない。



次々に登ってきた人が、到着するやいなや、「ホォッ!」とか「オオッ!」とか一声発して富士に見入っている。





鷹ノ巣山から続く稜線上には、一際立派な山容を示す雲取山。

そして笠取山まで続いている。

次々と登山者賀のぼってきたので、下山する事にする。

11時13分。



一旦、御堂峠に下りて糠指尾根(ヌカザス尾根)奥多摩湖を目指す。

ここで、奥多摩からのパーティ2組と出会う。

キツイと言われている坂を登ってきた割には、皆さん元気だ。

言われているほど急坂ではないのかな?(これはトンでもない間違いだった)



ヌカザス尾根を下ると鶴峠との分岐に出る。鶴峠は奈良倉山まで通じている。



落ち葉が深く積もっていて快適な道。ゆったりと景色を楽しみながら下っていく。



巨大な男性のように見えるブナの木と女性的なブナの木



快適な道を行くと11時51分、入小沢の峰1302mに着く。






左へ行くと金風呂経由で大寺山、鹿倉山に通じている。

ここから、急降下が始まる。

ロープや木の根を掴みながら慎重に下る。

此処が有名なツネ泣きの坂か??




ツネだけでは無く、登山者まで泣いてしまうという坂をやっと下るとツネ泣峠。

昔、奥多摩の川野村に住む17才の娘が、恋人の僧侶香蘭に会いに行くために三頭山を越えた。
西原での短い逢瀬の後、夜明けまでに家に帰らなければ、見つかってしまう。
急いで引き返したが、入小沢の峰を越えた所で夜が明けてきた。
おツネは、この急坂を泣きながら駆け下りて家に帰ったという。

民謡にも歌われているそうだ。

その奥多摩の村も今は湖の底になっている。


200m程を一気(本当はビビリながらゆっくりと)に下りた事になる。

12時14分。



ここからまたピークを登り返す。



標高が低くなるとブナの紅葉が残っている。



ここから、ムロクボ尾根経由で三頭橋(奥多摩湖)に下りられるが、私達はヌカザス尾根経由でイヨ山を目指す。



ピークを登り切ると、12時28分ヌカザス山1183mに着く。

相当下ったように感じたが、同じように登り返したので標高は殆ど変わっていない。



また、急降下が始まる。

殆ど真下に落ちるように下りていく。

木々の間から奥多摩湖が見える。



やっと下りたと思ったらまた登り返す。

そしてまた下り。



膝が痛くなりかけた頃一組の夫婦と、男性に追い抜かれる。

私達はマイペースで行くが家内が2度転倒した。



これで最後と思って登り返し下ると、またキツい上り坂が待っている。



左には鹿倉山1288mが見えている。中腹の肩のような所は大寺山。山頂に白い大きな仏舎利塔が見える。

13時18分。イヨ山979mに着く。

近所のお年寄りだろうか、魔法瓶まで持ってきてお弁当を広げている。



此処は979m。2時間も休み無しに歩いてまだ、500m一寸しか下りていない。

何度キツい登り下りがあったのだろう?

イヨ山の標識に「この先危険!覚悟して行かれ!」と書いてある。

これは今まで降りてきた道の事だろう。

下りもキツいが登りも更にキツいだろうなと思う。

いよいよ奥多摩湖が近くに見えてきた。



やっと普通の登山道らしくなってきた。

未だこれから450m以上下らなければならない。

木に新しい爪研ぎ後がある。



直ぐ近くで猟銃の音が何発も聞こえる。

ニホンジカを撃っているのだろうか?



ドンドン下っていくと紅葉が美しい。



膝がガクガクなってくる。



眼下に三頭橋が見えてくると車道に飛び出した。



車道を右に曲がり歩く。

奥多摩湖が美しい。



700m程歩くと、湖へ降りる道がある。

観光客が散策している湖岸の道は紅葉が美しい。



湖面は標高524m。

有名なドラム缶橋。

歩くと大きく揺れる。



ノンビリ釣りをしている人達が居る。





対岸に渡り車道に出ると小河内のバス停。14時20分。

先ほど追い越していった夫婦が居た。

バスを待つ間山歩きの話をする。

とても明るい夫婦だ。

2時46分のバスを待って奥多摩駅へ。

トイレに行く暇もなく3時26分のホリディ快速奥多摩に乗る。

超満員で座れなかったが、立川でやっと座れた。

いつもより歩行時間も高低差も少なかったが、急坂の下りで、非常に疲れる山歩きとなった。

やっぱり登山口まで、座れなかったのが応えたのかも知れない。





歩行距離9.5q

累積標高差 +780m −1238m
 

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