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向島百花園 |
2006/03/18 |
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− 向島から隅田川を散策。墨堤の桜を楽しむ −
カタクリの花が咲き始めたとの情報で、向島百花園に出かける。
百花園のある曳舟の駅までは、地下鉄で直通で行く事が出来る。
向島百花苑は、蜀山人を始めとする文人墨客が愛した庭園であるという。
約40分位で、曳舟駅に着く。
百花園に向かう家の庭にもモクレンや桜があでやかに咲いている。
ユキヤナギやボケの花も陽差しに輝いている。
レンギョウもいつの間にか満開になっている。
馬酔木が沢山植わっているフェンスを回り込むと、子供公園になっていてその奥に向島百花園がある。
昔文化、文政期(1804〜1830)佐原菊塢(きくう)の花園だった時の雰囲気が良く残っている。
この方は、仙台から出てきて、骨董商を営み財をなしたらしい。
その後同じく油屋に奉公して、日本の石油王と言われるようになった小倉常吉が入手し、
その後都に寄贈され現在に至っている。
安藤鶴夫の名随筆「百花園にて」が有名だが私は未だ読んでいない。
入り口近くの庭門には、蜀山人の「花屋敷」の扁額が掲げられている。
両脇には詩人・大窪詩仏が書いた「春夏秋冬花不断」「東西南北客争来」の木板(聯)がかかっている。
園内にはいると直ぐにミスミソウの小さな群生が目を引く。
見れば見るほど清純な感じがして、ユキワリソウの別名と共に大好きだ。
ミスミソウの隣に、カタクリの花が咲いていた。
20〜30株位咲いている。
今年始めてみるカタクリの花は陽を浴びて綺麗にカールしている。
園内は、梅の花が終わってカンヒ桜が満開だ
ヒメリュウキンカがてかてかと輝いている。
ヒマラヤユキノシタが咲いていた。
ユキノシタの仲間らしいが、全く花は異なっている。
ボケの花も今が盛り
オキナグサが咲いている。
ヒゲになったのは見た事があるが咲いているのは初めて。
ばいもが沢山咲いていた。
編み笠百合と呼ばれるらしいが地味な花だ。
ヒメオドリコソウは愛らしい。
沈丁花の甘い香りが立ちこめている。
クサボケとフリソデヤナギ
先週鎌倉の明月院ではチラホラとしか咲いていなかった日向ウツギが満開。
レンギョウとウク゜イスカズラ
キブシとサンシュユ
カンヒザクラが池に映える。
シュンランとスズランスイセン(スノーフレーク)
昔のの向島百花苑
陽だまりのベンチで昼食。コーヒータイムをのんびりとしていると、
先ほどまで、うなだれていたアマナが花を開き始めた。
一面に咲いているので花が開くと綺麗だ。
百花苑を出ると「日本一のきびだんご」を立派な白髭のおじいさんが売っていた。
何故か向島のきびだんごは有名。
5串で250円は安い。
でもおじいさんはキセルでタバコを吸ってのんびりしたもの。
実はこの人は向島、浅草などに店を構えているとか。
楽天でも売っているらしい。
趣味で行商している?
アオキの様なはの樹に変わった花が咲いていた何だろう?
右の花はフッキソウ?
百花苑を出てから隅田川に向かう。
立派な白髭神社がある。
この神社の総本社は、滋賀県高島町にある白髭神社が総本山だと言われているが、
この地は古来から旧朝鮮からの渡来人が多い所なので、
先週行った、高麗の高麗神社の高麗王若光こと白髭様と関係しているという説もあるらしい。
お詣りをしていると、若いエプロン姿の女性が、携帯電話している。
なんと韓国語だったのには驚いた。
この辺りは、永井荷風の『墨東綺譚』に登場する玉ノ井とか滝田ゆうの 寺島町奇譚/ぬけられますに描かれた街だ。
御神輿の収納庫がある。
白髭神社の御神輿は有名らしい。
白髭橋に出て、堰堤を歩く。
水上バスは超満員。
向こうに見える橋はこととい橋
「伊勢物語」の主人公、在原業平にちなんで付けられた。
「名にしおはば、いざ言問わん都鳥 我が思ふひとはありやなしやと」
この地に来なければ、伊勢物語の故事が浅草から歩いて10分もしない場所だとは思いも依らない。
それとは別に梅若丸の悲話も有る。
『尋ね来て 問わば応えよ 都鳥 隅田川原の 露と消えぬと』
いずれにしても隅田川は武蔵の国と下総の国を隔てる川であった。
この川を渡ると文化は大いに異なった事だろう。
両国橋は二つの国を繋ぐ橋としてその名が付いた。
浅草に近い所に山の宿の渡しの石碑があった。
1774年(安永3年)に吾妻橋が架けられ、両国橋・新大橋・永代橋とともに
「大川四大橋」(隅田川はその昔大川)と呼ばれていた。
当時の人々は、橋を渡るほかには 「橋場の渡し」「今戸の渡し」「竹屋の渡し」「山の宿の渡し」といった
渡し舟を利用して向島へ憩いを求めて通ってきたらしい。
なんと橋を渡るにも有料だったらしい。
当然業平の時代は船で渡るしかなかったのだろう。
墨堤の桜は、やっとほころびかけている。
こととい橋を渡って隅田公園側の桜はもう満開だ。
滝廉太郎作曲「花」 ”春のうららの隅田川 のぼりくだりの船人が 櫂のしずくも花と散る 眺めを何にたとうべき ”
武島羽衣作詞 滝廉太郎作曲の名曲として親しまれている。
今でも都会の喧噪を忘れさせてくれるのどかな場所だ。
春爛漫の季節がもうすぐやってくる。
スミレの名前に悩みながらの山行きもまた楽しみだ。
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