大岳山 1266.5m 2005/11/5

− 奥多摩を代表する山大嶽山を、鋸尾根から登る −

今日は、天気予報では雨だった。

山歩きは諦めていたのだが、高気圧が頑張って晴れになるとの予報に変わった。

先日の笠取山の急登でこわばった足の筋肉も、ほぼ治癒されたようだ。

前から気になっていた大岳山に登る事にする。

大岳山は、何処から見てもその素晴らしい山容を見間違える事は無い。

素晴らしいとんがりを持つ奥多摩では珍しい山だ。

その為、古くから山岳宗教の修験の場として有名だったらしい。

しかしながら、その道程は厳しい。

御岳山までロープウエイで登り、そこから山頂を目指すコースは多く紹介されている。

これでは、登山の魅力は半減してしまう。

コースガイドに上級者向き?と記されている奥多摩駅から鋸尾根を経由して登る事にする。

頂上まで、単純標高差960m、歩行距離8.7qと記されてある。

アップダウンが多いので累計標高差は1500mを越えると思われる。

いつものように星空を眺めながら、新宿、立川、青梅経由で奥多摩駅に着いたのは8時25分。



大勢の登山客は殆どが、日原鍾乳洞行きの臨時バスやタクシーに乗り込んで行ってしまった。

鷹巣山、雲取山、天目山、川苔山の渓谷の紅葉が目的なのだろうか。

駅前の案内所で地図を貰い、おばちゃんに「4時間ぐらいで登れますよね。」

と聞くと、私の格好をじろっと見て「4時間半以上は見ておきなさい

以上と言う所にやけに力を込めた。

バックもシューズもそれらしい物に変えたのに?

やはり、このでっぷりお腹がいけないのかなあ?



今日はJR主催の奥多摩古道を歩くイベントがあるらしい。

多くのスタッフが準備をしている。

こんな秋晴れの日に古道をゆっくり歩くのも良いものだろう。

トイレをすまし8時30分に出発。

昭和橋を渡り、愛宕山へと向かう。

あれほど居た登山客も、大岳山には誰も登ってこない。

此処で標高310m



小さな階段を上ると、いきなりの急登。

アドレナリンの準備が出来ていない体に応える。

有名な188段の石段。

見上げるような急階段だ。

手すりで体を引っ張り上げるように登る。



階段からまた少し登ると広場に出る。

キッコウハグマの小さな花が密かに咲いている。

今年はもう会えないのかなあと思っていたが、こんな所で出会えて嬉しい。

ヤブコウジの赤い実が、鮮やか。



広場には、戦没者供養の五重塔がある。

眼下に氷川の町と奥多摩駅(旧氷川駅)が見える。

広場から少し急坂を上がると、愛宕神社がある。

9時丁度。ここで507m。

神社から岩山の間を急降下すると林道に出る。

登計峠である。



せっかく稼いだ標高を、はき出すのは辛い。

でも、これが急登急降下の序曲であった。

しばらく樹林帯の面白くもない道を、黙って忍の字で登る。

夫婦連れを追い越し、男性の単独行に追い越される。



やっと樹林帯が終わり、岩のコブをよじ登ると右前方に綺麗な山が見える。

大岳山かなあと思うが、地図で確認するとカタクリで有名な御前山1405mだった。

(と思ったが、帰って良く確認すると六石山のようだ。その奥に鷹巣山があるはず)



更に岩コブを急な鉄梯子を二つほど超えると見晴らしの良い岩峰のてっぺんに出る。

9時43分。726m。約一時間で400m程登ってきた。

此処からが鋸尾根と呼ばれ、ギザギザの小ピークが続く、最初のピークとなる。



振り返ると氷川の町の向こうに本仁田山1226m、そしてその上に川苔山1364mが綺麗な姿を見せている。

先日登った時の綺麗な沢と厳しい山頂直下の登りが思い出される。

岩の上には天聖神社が祀られている。

大天狗小天狗と小さな祠がある。



岩の上で最初のコーヒーブレイク。

良いお天気で、暖かい。汗をぬぐって飲むコーヒーは美味しい。

杉のような樹に沢山実が付いていた。



リョウブの実かなあ?

しばらく休んで、急な岩を降りていく。





一旦下って、鉄梯子を登ると二つ目のピーク。



また下り、木の根の急坂を登ると岩盤が前に立ちふさがる。

鎖コースを行こうとするが、一枚岩で足がかりがない。

面白そうだが歳を考えて迂回する。

「滑落事故多し注意」の看板がいたる所にある。



ロープのある急斜面を上がると眺望が開ける。

標高829m

10時5分



更に下り、また岩場を登っていくとキッコウハグマが咲き乱れている。

小さいので、通りすがりにちょこっと写すのは難しい。

殆どピンボケになる。



しばらく樹林帯の緩やかな道を行くと、広葉樹が多くなり紅葉が美しい。



10時26分、奥多摩駅から3.9q、鋸山まで1.5qの地点に来る。

この辺で、単独行の男性と二人組の男性に追い抜かれる。

さすが健脚コース、女性には全く会わない。



前方に大きなピークが立ちはだかる。

頑張って登ると三角点のある1045mピーク

10時51分

ツツジの葉だろうか?鮮やかな紅葉だ。

山と渓谷社の奥多摩・奥武蔵では、此処を天地山としているが、天地山は別にある。



標識に左行き止まりの表示がある。

実は此処から天地山経由で梅沢に出る事が出来るようだ。

危険な岩場があるため<通行止めと表示しているのか?

やっと、スタートから5q地点。

鋸山まで350mとある。

急坂を勇んで登っていく。



頂上と思ったがニセピーク。

またエンヤコラと降りていくと、御前山、大ダワとの分岐に出る。

この大ダワには奥多摩から林道が上がってきている。

直ぐそばをオートバイのエンジン音が聞こえる。

何か興ざめだ。

先ほど追い抜いていった男性二人組が座り込んで昼食の用意をしている。

もう少しなのに、お腹がすきすぎたのかなあ。



左は登山道でよく見かけるが名前を知らない。

*コアジサイだと教えていただきました。

忍の字で登り切るとやっと鋸山山頂1109m

11時9分。出発して2時間半余りが経過している。



まだまた、行程は長い。直ぐに下山する。

月夜見山の分岐がある。







沖の中岩を越して中岩山 1107mのピークでついに堪らず行動食タイムとする。

一旦下って直ぐにトバノ中石1158mのピークがある。

アップダウンの多さに疲れが出てくる。



素敵な紅葉樹の紅葉が続く。

真っ赤に紅葉している訳ではないが、とても心地よい色付きだ。

若宮ノ頭1140mがあるはずだが、ピークが多すぎて頭がこんがらがって解らなくなった。



さすが鋸尾根、小さなピークと大きなピークが繰り返して現れる。

木の根に小社がある。とすれば今超えてきたピークが若宮ノ頭だったのだ。

この辺はツツジの木が多い。

シーズンには楽しい道となるだろう。



この時刻になると大岳山から逆コースで大勢が下山してくる。

女性の単独行も多くなってくる。

やはり、御獄駅からの標準コースを選ぶ人が多いようだ。

馬頭刈尾根への分岐を過ぎるといよいよ急坂が始まる。



急斜面をはい上がり、岩を乗り越えていく。

厳しい所を越えて待た少し登ると、人影が見えてくる。

山頂手前にも広場があって大勢の人が休んでいる。



やっと大岳山1266m 山頂到着。

12時37分。

4時間余りかかった。

丁度この山の標準コースタイムだ。

私達としては上出来。

いくつピークを越えてきた事だろうか?

この大岳山は遠くから見るとギザギザ尾根の上に、お鍋をかぶせたように見える。

その為、当初は鍋割山と呼ばれていたらしい。



正面に御前山がそびえている。

生憎と天気が良すぎて、富士山は見えない。

ポカポカと暖かい山頂で昼食にする。

大学生などの若い人達が大勢登っている。

栗の木が多く紅葉している。



山頂には二等三角点があった。



ゆっくりと昼食を楽しんでから下山開始。

13時丁度。

かなりキツい岩の坂を下りていくと、大勢の登山客が登ってくる。

子供連れや、アベックや女の子の友達グループが多い。

すぐに祠が見えてくる。



ここは大獄神社

豚のような顔の狛犬が門番をしている。

小説大菩薩峠の中で、机竜之介が奉納試合をしたとされているが、どの辺を想定しているのだろうか?



杉の巨木の間を降りていくと大岳山荘がある。

とても見晴らしの良い山荘だそうだ。

壊れかけて鉄パイプで補強してあるが、表に沢山の布団を干してある所から見て今日は営業しているようだ。



山荘から左に巻いていくと、モチノキ坂。急な梯子や鎖のある岩場が続く。

何でもない岩場だが、滑落事故も多いとか。

その為、こんな所に何故と思うほど沢山の鎖がある。

かなり急な岩場を、降りていくが登山者がドンドン登って来るので、交わすのが大変。



岩場が終わると緩やかな縦走路となる。

しばらく行くと岩石園と鍋割山の分岐(芥場峠)に来る。

岩石園方向に真っ直ぐ行くと平坦な道だが、せっかくだからと鍋割山に向かう。



途中でまた奥の院への分岐があるがかまわず登って行く。

緑のスカウトの森の標識がある。

この辺は、春にはカタクリとミツバツツジが美しいらしい。



此処にもニセピークがありだまされるが、13時54分に鍋割山(芥場ノ頭)1084mに着く。

ここでコーヒーブレイク。

先に来ていたご夫婦は、尾根づたいに大楢峠経由で鳩ノ巣駅へと降りて行かれた。

東京府の石柱がある。

東京府っていつ頃の話なんだろう?

もともと鍋割山とは大岳山に付けられた名前だったらしいが、いつの間にかこのピークの名前になったそうだ。



しばらく休憩してから、ロープのあるキツい道を下っていく。

先ほどのトラバースの道と出会うと直ぐに奥の院山頂への分岐。

ついでだからと登って行く。



直ぐかなと思ったが厳しい岩の道。

しかし目の覚めるような紅葉が出迎えてくれた。



疲れた足に応える急坂を踏ん張ると小さな祠。

これが奥の院?と思いお詣りをする。



この山は男具那ノ峰(オグナノミネ)と呼ばれ御岳山の最高峰である。

御獄神社奥の院である男具那社が祀られて居るため奥の院とも呼ばれている。

ふと見ると小さな山頂1077mに大勢の人が居る。

観光客らしいが、酒臭い息でフウフウあえいでいたり、万歳をしたりしている。

眼下に赤く紅葉の目立つ広場があるが、あれは長尾平だろう。

その向こうにとがっている山は、日出山。

日の出山の向こうには首都圏のビルがギッシリと建ち並んでいる。



しばらく休憩してこれまた急坂を下りると奥の院が建設中であった。

檜の社の中に朱塗りの社があり、こった造りでとても立派である。

今月末には完成するそうだ。



奥の院から、急坂をドンドン下り、いつまで経っても御岳山に着かないので、

道を間違えたかと心配しだした頃、天狗の腰掛け杉の横に出る。



ここへ、先ほどの鍋割山分岐や岩石園からの道が交わっている。



突然、別世界に来たようなにぎわいの中を長尾平にやってくる。

奥の院からも見えていたが紅葉が美しい。



長尾平の茶屋で一休み。

ビールと冷たいスポーツドリンクを購入。

お婆ちゃんが何処に登ってきたのと聞くので「奥多摩駅から大岳山、奥の院」と答えると

奥から歯が一本しか残っていないおじいちゃんが出てきて、新しい奥の院を見てきたか?と言う。

「ワシもこの前見てきたんだ。素晴らしいだろう」と目を細めて言う。

素晴らしいお社ですねと言うと、喜んで色々お話しをしてくれた。

これから鳩ノ巣の方に降りようと思うと言うと驚いて、今からだと真っ暗になってしまう止めなさいと言う。

時刻を見るともう3時になっている。

これでは無理だ。

ケーブルで降りるのは嫌なので、表参道を降りる事にする。

お暇して、15時12分に出発。

ここからは少し登りとなる。

観光客が多いので、疲れを隠して颯爽と歩く。



御獄神社に出て、土産物売り場の中を降りていく。

関東でよく見かけるヘンなウリを売っていた。

はやと瓜と言うらしい。



樹齢1000年と言われている神代欅の横を降りて、ゲストセンターから表参道の舗装路を下る。

ロープウェイ駅まで3.7qの下り。



以前この道を登った時は殆ど人が歩いていなかったが、今日はおばあさんや子供達も元気に歩いて居る。

所々に新しい昔の地名の案内柱が出来ていた。

このお堂は「団子堂」



足の裏が痛くなってきたがひたすら降りていく。

16時20分ロープウェイ駅に着く。

クルミみそ焼き餅を食べて一休憩。



駅には大勢の人が居たが、みんなバスに乗って行ってしまった。

約2.7q、車道をトボトボ歩き、多摩川に架かっている橋を渡る頃にはもう日が暮れてきた。

この多摩川の豊かな流れが、昨日登った笠取山から流れ落ちていると思うと感慨深い物がある。



17時8分に御獄駅(標高220m)に着くと、ホリディ快速奥多摩が停まっていた。

大勢の人が切符を購入するのにごったかえしている。

私達はホリディパスなのでそのままホームに駆け上がり、空いている席を見つける事が出来た。

5時11分に駅を出た、このホリディ奥多摩は途中の駅を殆ど通過してあっという間に新宿に着いた。

鋸尾根のアップダウンはキツかったが、念願の大岳山に登る事が出来た。

山の紅葉も今日くらいで最後になるだろう。





歩行距離約17.5q

累計標高差 +1616m −1718m

良く歩いたものだ。
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