里山の夏 滝子山 1620m 2006/06/10

− 笹子 〜 滝子山(たきごやま) 〜 初狩 −

大菩薩から笹子に連なる山並みを、小金沢南大菩薩連嶺といい、

その南端に独立峰のごとく大きく聳えるのが滝子山。


滝子山周辺地図

今週は、先週の武甲山の疲れがなかなか取れず、木曜まで筋肉痛が残ってしまった。

横浜での仕事があり、敵の階段の上り下りが辛かった。

梅雨入り宣言もあったので公園でも行ってのんびりしようと思っていたが、なんと今日は梅雨の中休みと言う。

なんだか私達の山歩きみたい。(スタートしたら直ぐに中休み)

貴重な一日を見逃す訳には行かない。

釋護法さんが好きな山で何回も登っているという滝子山に行く事にする。

5月末には、イワカガミが咲いていたと言うが未だ残っているだろうか。

いつものように5時に家を出てホリディパスを購入し新宿へ。

弁当を仕入れてふと時計を見ると6時前。

6時発の普通に乗ると笹子まで上手く電車が繋がる。

どうしようか迷っている内に6時となってしまい、結局6時22分の特別快速に乗る。

ところが何時も腹立たしく思うのだが、この特別快速が7時5分に高尾に着くと

普通甲府行きが7時3分に出てしまっている。

たった2分。特別過密ダイヤでもないのに何故特快が着いてから出発しないのだろうか?

次の普通は大月行き。

しかし大月駅に着くと25分ほど待たされる。

その内に7時に新宿を出た「特急あずさ」が55分で大月に到着する。

どう考えても特急を利用させようとするJR東日本の陰謀としか思えない。

高々900円の特急料金だけど、毎週のように山に行っている身としてはもったいない。

なんだかんだで笹子駅に着くと、駅員が居ない。

ホリディパスは大月までなので240円の乗り越し料が必要。

困ってしまったが二人分480円をカウンターの上に置いていく。

「こんな事なら最低料金で乗ってくれば良かったね」なんて話しながらそのまま出ていく人も多い。

なんかJRの考え方って不合理。



8時30分到着。

たった2分の乗り継ぎの違いで、到着が40分も遅くなる。

案内板には目的の滝子山の外に本社ヶ丸、雁ヶ腹摺山、高川山などの案内がある。

高川山以外は未だ登った事がない。次の楽しみだ。

此処で標高600m



駅前にでっかい笹子隧道記念碑がある。

明治36年に中央線の笹子駅が開通した時に建てられたものだ。



甲州街道を東に折り返すように行くと、笹一酒造に着く。

ドライブインのようになっていて、先に出発した団体は早くも立ち寄って買い物をしている。

此処にはギネスに登録された世界一の大太鼓がある。

居眠り爺さんとか、テレビのコマーシャルとか派手な事が好きの社長さんのようだ。

15分ほど甲州街道をドンドン下っていく。

標高560mまで下った所に手作りの標識があり、左へと田植えの終わった田圃の中の道を行く。



鉄道を渡り右に行くと、立派な稲村神社があり、ここにも立派な原村の壮年会の作った看板がある。

しかしこの看板、道案内にはならない。

稲村神社はとても立派。神殿の上には大きな屋根が作られている。

野口英世の実家と同じだ。



舗装路をエッチラ登り、高速道路の原平橋を越え更に行くと、9時2分に桜森林公園に着く。

此処にも絵画のような案内板があるが、やはり登山道の案内にはならない。

この公園には水場があるらしく、早くも先行者達は休憩している。、

そのまま舗装路を行くと、3分ほどで寂ショウ園の分岐に着くが、看板などは掛かっていない。

ここは個人の庭の入り口かなあ?

本当は此処が寂ショウ尾根の入り口で、寂ショウ尾根(南陵コース)は岩場もあり楽しい登りが味わえるらしい。

参考にしたガイドブックには道標があると書いてあったので、分岐はもう少し先と歩き続ける。



9時14分、田通の姥神という石柱が祀られていた。

昔この大鹿沢の道は田通に通じる甲州裏街道だったらしい。

道祖神らしいが石柱というのは珍しい。



舗装路の単調な歩きは辛い。

おまけにかなり傾斜がある。

既にもう汗びっしょり。梅雨の中休みの太陽が容赦なく照りつける。

ガマズミの花くらしいか咲いていない。

やがて未舗装路となりヤマフジや桐の花を楽しみながら行く。

もう蝉が鳴いている。



右に大鹿川のおそ沢の流れを見下ろしながら行くと、9時31分道標に着く。

ここが寂ショウ尾根の入り口かなあ?

しかし、真っ直ぐ行くと大鹿峠と書いてある。

ズミ沢へは道証地蔵から右に下りるが、地蔵さんは何処にあるのだろう?

まあとりあえず、此処で休憩。



ザックを道端に下ろそうとすると、アレッ!こんな所にお地蔵さんが..

これが道証地蔵だろう。

ここが標高820m。

一服していると、先ほど桜公園で休憩していた男性が追いついてきた。

ここから2時間半頑張りましょうと言って先に行った。

右に下りて気持ちの良い沢道を登り、橋を渡りしていくと、もう先ほどの男性が座り込んでいる。

この男性とはその後山を下りるまで会わなかった。



平っ沢の素晴らしい沢の景色を堪能しながら緩やかな道を行く。



所々沢を渡るが、小さな丸太の橋は、雨で滑りやすく怖かった。



所々に滝があり、降りれるようになっている所に標識があるが読みとれない。

これは三丈の滝だろうか。



切石の標識から左へと沢を離れる。

10時11分。

ここから傾斜が急になる。

曲り沢峠や大鹿山への分岐を右に行く。

10時27分。



沢の水は益々水量を増し、素晴らしい景観を作っている。

ヒグラシと蛙のような鳴き声が沢にこだましている。

春ゼミ?も地鳴りのような鳴き声で谷を埋めている。



モチノ滝?



立派な滝を眺められる場所が広くなっている。

大滝か?

10時34分小休止。

エンレイソウが大きく葉を広げている。

ここから少し急坂となり岩場もある。

ロープを頼りに一気に登る。



大きな一枚板を滝が流れ落ちている。

滑滝というのだろう。



左側が砂混じりのザレ場となる。

谷側を踏むとそのまま崩れてしまいそう。

しかしロープがしっかりしており注意して歩けば危険はない。

ザレ場を通り過ぎると曲り沢峠への分岐がある。

10時56分。

此処の看板に今通ってきた沢筋の道は、大雨の時は危険。曲り沢峠経由で下山するように注意書きがある。



ここで今日初めての下山者と出会う。

青いシートのカラマツの植林小屋がある。

11時1分。

お年寄りが一人地図を広げていた。

ニョイスミレが沢山咲いていた。

此処からは、分岐が沢山あるが、元の作業道で今は藪漕ぎ状態で行くと大変な事になるらしい。

私達は真っ直ぐ行く。



植林は所々伐採されていて視界が開ける。

カラマツの林が美しい。



湿地帯のようになっていて、水路を渡るがここも川底は砂になっている。

この山は砂岩が多いのか?



樹木の間には羊歯が茂っている。



防火帯なのか平原のようになっていてユキザサが可憐な花を咲かせている。



ヤマシャクヤクに出会えたが昨日の雨に打たれてもう散ってしまいそう。



小さい小さい白い花はマイヅルソウ。



草木の下に沢山咲いているが、よく見ないと通り過ごしそう。

しばらく行くと群生となる。



ルイヨウボタンも綺麗な花を咲かせていた。

先週の武甲山では未だ殆どツボミだったのに..



葉が亀の甲のようなタチカメバソウ。

蘭ちゃんに教えていただきました。

沢筋からずっと咲いていた。



ユキザサの多い巻き道を行くと大谷ヶ丸への分岐。

11時28分。



緩やかな道のようだけど、防火帯特有の足に応える道で、前を行くお年寄りの足が上がらなくなった。

モミの木の間に大谷ヶ丸の三角錐の山頂が覗いている。



先行者をパスしていくが家内も足取りが重くなる。

草原にはマイヅルソウが踏みそうになる位咲いている。

しかし小さな花を写すのは大変。

ピントが合いにくくぶれやすい。息を殺して写していると酸欠になりそう。

写真を写していると、若い男性に今日初めて追い越される。

下山者も二人遭う。



11時42分。また大谷ヶ丸との分岐。

右へと直角に滝子山に向かう。



ツクバネウツギが咲いている巻き道をぐるっと北に巻いていく。

シロバナノヘビイチゴが咲いている。

とても甘い実を付けるらしい。



開けた所に鎮西ヶ池山頂の標識と古い木組みの井戸そして白縫神社がある。

11時49分。

何故此処が山頂なのか解らない。

鎮西とは鎮西八郎為朝の事。

保元の乱で破れ、伊豆大島に流罪になったその為朝が伊豆に上陸、ひそかにここまでやってきたという。

また、為朝がかつて九州に追われれていたときの妻・白縫姫とその子為若が為朝を慕って訪ねてきて、

ここに住んでいたとか。

付近には生活物資を運んだという「米背負の辻」、「御馬冷やし場」、「菜畑」などの地名も残っているらしい。

東麓の恵能野(えのうの)に為朝の末裔と称する家があり、為朝大神の祠に白縫姫や為若を祭ってあるらしい。

土地の人は滝子山を鎮西ヶ山と呼び、為朝にちなむ故事も伝えている。

のち、鎮西ヶ池から白縫姫か、その侍女のものらしい古鏡が出てきて大騒ぎになったとか。

保元の乱と言えば熊野古道や五色台の崇徳上皇のことを思い出すなあ。

この様な地にお姫様が住めるのかという疑問が湧くが、白縫姫は肥後の生まれでお供に阿蘇侍13人を連れてきている。

祖谷の山奥の平家伝説からしても、この地なら畑を耕して住めたのではないかと思われる。

此処の山頂標識の謎も以前はピークだったのが土砂崩れに遭いピークが無くなったのではないだろうか。

伝承でも崖崩れの後、山麓に住んだとのことである。

藤沢子ノ神社に行くと何か解るかも知れない。



神社にお詣りしてから急坂をぐいっと上がっていくと三角点のあるピークとの鞍部に出て、

右へと山頂を目指す。



キツイ坂が何処まで続くのかなあと思いながらいくと、チゴユリがまだ咲いている。



ベニバナツクバネウツギが目立つようになると突然山頂に飛び出した。



12時丁度到着。

駅から約3時間半かかった。

山頂は思いの外狭く小さな岩場となっている。



ふと正面を見ると富士山の姿が..

手前に三つ峠を従えて美しい姿を見せている。

雪はかなり少なくなっている。

この時期に富士山が見えるとは思っても居なかっただけに嬉しい。

手前に黒く横たわっているのは鶴ヶ鳥屋山。



都留市の向こうに見えるのは杓子山か?



手前右は高川山。天狗岩あたりの採石場が痛ましい。

中央に見えるのはリニアモーターカーの実験路。

高川山を貫いて正面の九鬼山に突っ込んでいる。

奥には蛭が岳などの丹沢の山並み。



正面奥右側が雁ヶ腹摺山。左中央が黒岳。

その向こうに大菩薩嶺が見えるはずだがガスの中。

手前は大谷ヶ丸、ハマイバ丸、大蔵高丸そして湯ノ沢峠まで続く稜線。

ヤマツツジが咲き始めで鮮やか。



更に奥へ進むと、寂ショウ尾根から登ってきたピークに出る。

トウゴクミツバツツジは花の盛り。

登山者が湯を沸かしながら寂ショウ尾根の素晴らしさを話し合っている。



また頂上まで帰り、昼食。

ベニバナツクバネウツギやマイヅルソウが咲いている。



次々に登山客が登って来る。

3人連れの女性は湯ノ沢峠から縦走してきたらしい。

私達も歩いてみたいなあ。

頂上が一杯になったので下山開始。

12時42分。



鞍部まで引き返すと、朝先に出発して酒蔵で買い物をしていた集団が登ってきた。

鞍部から少し行くと二等三角点のあるピーク。

そうキツくもない下り坂だが雨の後なので慎重に下る。



男坂と女坂の分岐。

女坂を行く。

13時5分。



タカネグンナイフウロみっけ。

グンナイフウロよりも色が濃く、ガクや茎が毛深い。

グンナイフウロはこの山梨県郡内地方で発見された為にその名が付いた。

此処がその本家という訳で何か嬉しい。



ギンリョウソウがニョキニョキと生えていた。



ブナやコナラの古木が多く素晴らしい。



左は下山道に一杯咲きばじめていた何の花かなあ。



13時24分檜平1336mに到着。

ヤマツツジが見事だ。

でっかいのでオンツツジのように見える。

この向こうに富士山が見えていたが既に霞んでいる。



ギンランが所々に咲いている。

尾根を真っ直ぐ下っていくと1000mを切った所で左へと曲がる。

真っ直ぐ尾根道が続いているが道は悪いとの事。

国土地理院2500分の一の地図では尾根道しか載っておらず、左の沢に降りる道は載っていない。

13時56分。



ブナやミズナラの古木を楽しみながら行くと何組かの人達に追い抜かれた。

帰りはみんな早いなあ!
私達が遅すぎるのかも知れない。ころぶと山に来れなくなるからね。慎重が第一。



フタリシズカが目立ち出すと沢に出る。

小さな沢だが水は冷たく顔を洗うと生き返る。

沢の中を何度も横切るが、少し靴が濡れる程度。



14時59分林道に出て左に曲がる。

しばらく行くと瑞岳院との分岐に出る。



右へ行き広い所に出ると滝子山自然保存地区の大きな看板。

しばらく行くと藤沢子神社があり、白縫神社の謂われが書いてある。

滝沢馬琴原作の白縫姫は古い映画や歌舞伎で有名だが未だ見た事はない。

この機会に一度見てみたい。

杉やトチノキの古木が素晴らしい。



藤沢の集落に出てのんびり歩いていくと通りすがりのおじさん、おじいちゃん、おばちゃんが声をかけてくる。

「お疲れさん」「お山の眺望はどうでしたか」富士山が見えたというと「それは良かったですね」と感じがよい。

道端に代官の高札があり、この地区では挨拶しないで通る事まかりならずと書いてある。

一寸高圧的だが、とてもいい習慣だなあ。

此処の集落からは正面にでっかいでっかい富士山が見える。

富士山を眺めながら暮らす幸せな村だ

もうすっかり雲がかかっている。

藤沢川が広くなると沢山の人が釣りをしている。



高速をくぐり甲州街道に出る。

車道歩きはもう飽きたなあ。

コンビニでビールを買い駅に着くと15時47分。

立川行きは今出たばかり。

少しゆっくりしすぎた。

大月行きを見送り16時14分の立川行きの時間までベンチでビールをゆっくりと味わう。

いつの間にか登山者が増えた。

高川山からも下りてきたのだろう。



駅のホームから滝子山を振り返る。

あの三つのピークが頂上だったんだ。

何とか座れてウトウトしながら帰宅。

ラッキーな梅雨の中休みの一日を十分に楽しむ事が出来た。





総歩行距離15.5q

累計標高差 +1176m −1321m

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