秩父御岳山 1081m 2006/04/15

− 春爛漫、秩父御岳山(ちちぶおんたけさん)でカタクリの道を歩く −

秩父御岳山は、武甲山と共に木曽御嶽山開山の密教行者の普寛上人が開いた山。

普寛上人は、此処の落合で終焉を迎え、普寛神社に祀られている。


天気予報ではすっきりしない天気。

御前山のカタクリが見頃を迎えたとの情報。昨年よりこの時期を待っていた。

しかし、新宿駅で工事の為中央線の快速、急行は運休との事。

それでは、京王線で高尾にでも出かけるかと出発。

6時前に家を出ると以外と良い天気。



家の前の、ハナミズキの並木が咲き始めていた。

そう言えば昨年こちらに引っ越ししてきた時迎えてくれたのは、このハナミズキの花だった。

あれからもう一年経ったんだなあ...

小学校の校庭の八重桜も満開になっていた。

天気が良さそうなので、山手線の中で、以前から気になっていた秩父御岳山に行き先変更。

下調べはしていない。秩父の地図は持っているし、秩父沿線は、登山地図を駅で配っている。

この地図は、最新の情報が載っていて、国土地理院の地図より頼りになる。

しかし、秩父鉄道の三峰口は遠い。

7時6分西武池袋駅出発。

飯能でスイッチバックし、桜や、桃など色々な花の咲き乱れる中を走っていく。

本当に春爛漫。このまま山などに登らずに、花の下でのんびりするのも良いかなあ..

先週日向山の帰りに降りた横瀬駅から左手を見ると、満開の桜並木が美しい。

大勢の人がぞろぞろ歩いている。

此処の丘の上には、羊山公園「芝桜の丘」がある。


                              秩父市観光協会HPより

とても素晴らしい所らしい。

8時46分西武秩父駅到着。

ここから秩父線お花畑駅に乗り換え。

秩父鉄道と、西武鉄道は相互乗り入れしていて、直通便もあるのに何故か、一旦駅舎を出て乗り換える。



謎が解けた。西武秩父駅を降りると、秩父仲見世通りの中をお花畑駅に向かうようになっている。

電車で素通りするよりは、この通りを歩いてもらった方が街は賑わう。



観光案内ポストは洒落ている。

天狗の高下駄と幸運の打ち出の小槌ポスト



お花畑駅に行き、時刻表を見ると9時23分発。

ずいぶんと時間がある。

秩父のそばは有名。テンプラそば350円は安い。

みんな美味しそうに食べている。

私も食べたかったが、帰りに食べる事にする。

これが大失敗。

近所をうろうろすると、道路を通行止めにしている。

お聞きすると今日明日と芝桜祭りに協賛して、東町屋台を曳行するらしい。

此処の屋台は素晴らしいと聞く。

10時から開始とのこと。残念。

12時からはSLも走るとか。

芝桜公園までは、横瀬駅からと秩父駅から歩いて15分ほどだそうだが、自家用車の乗り入れを禁止している。

徒歩か、無料の周遊バスに乗って行く。

東京近辺では、自家用車乗り入れ禁止の観光地が多い。

お客に歩かせる事を基本にしている。

普段通勤などで良く歩いているから、みんな気にしないのだろう。

大勢の人が歩けばそれなりに周辺のお店も活気が出るだろう。



満員の乗客を乗せて、桜の花がいよいよ満開に咲き乱れる中を走っていく。

座りきれないほど乗っていた乗客は殆ど次の影森で降りてしまった。

武甲山に登るのは次の浦山口だしおかしいなと思ったが、

ここから素敵なハイキングコースがあって、芝桜公園まで歩けるらしい。納得。

途中の行き違い待ちで列車より降りて桜を堪能。

9時45分三峰口到着。



トイレをすまし地図を探すが、沢山あるパンフレットには、両神山、三峰山、雲取山しかルートが乗っていない。

観光案内板にも、御岳山の記載は一切無い。これはどうなっているの?

どっちへ行けばよいの?

どうも、この荒川村では秩父御岳山に観光客を登らせたくないとしか思えない。

登山道は4カ所、そのうちの2カ所は荒川村(強石と落合は大滝村)にあるんだけどなあ?

以前芦ヶ久保でもらった地図が、ザックに入っていた。

小さいけれど登山ルートが4つ書いてある。

しかし国土地理院の地図にはそのルートは載っていない。

迷ったけど強石(つわいし)ルートから登る事にする。

9時54分、駅から西に歩き始める桜が満開。

他の客は殆どバスに乗って三峰ロープウェイの方に行ってしまった。

ここで標高315m





しばらく歩くと白川橋がある。

何も考えずに橋を渡る。

?の木の芽吹きが綺麗。ヤマブキも満開。

橋を渡りしばらく歩いて??町分登山口入り口に着いてしまった。

ここは下山予定の場所。

このまま登ろうかと思ったが、予定の強石登山口に引き返す。

白川橋を渡らずに真っ直ぐ行かないと行けなかったのだ。



対岸の国道は、石灰岩運搬の大型トラックが黒煙を上げて走っている。

この道は、荒川に沿っていくが旧道なので殆ど車は通らない。

道端にミヤマキケマンが一杯咲いている。

この荒川町は枝垂れ桜が有名。

のんびりと、桜を楽しみながら歩く。



ヤマエンゴサク(ジロボウエンゴサクとの違いが良く解らない)

蘭ちゃんにお聞きすると、ヤマエンゴサクは包葉(花の直ぐ下の葉)に切れ込みがある。)
うん、この花は確かにヤマエンゴサクだ。

ジロボウエンゴサク(右)は、包葉に切れ込みがない。

良く覚えて置かなくちゃあ。





スミレの花が咲き乱れているのどかな山村という感じ。



ミツバツツジが満開。

モミジイチゴも咲き乱れている。



ナガバノスミレサイシンやムラサキケマンも至る所に咲いている。



スミレは色々な種類のものが咲いていて、写していると前に進まないので省略。



旧道が下り始めると右に降りていく。

まんねん橋があり発電所がある。



カキドウシと一緒に一面に群生している右の写真の花は何だろう?

ここら辺一面に咲いている。

カテンソウ(花点草)と蘭ちゃんに教えていただきました。



クサノオウが咲き始めている。

国道に上がり、右に引き返すように行くと強石登山口に着く。

10時40分。

標高330m



民家の間を登って行くと、今年初めてのシャクナゲが美しい。

大滝山のシャクナゲはもう咲いているだろうか。



ほんのちょっぴりだけど芝桜が咲いている。

きれいだなあ。



ムラサキハナナもよく見ると綺麗。



ミミガタテンナンショウの横の地蔵尊で今日の山歩きの安全を祈る。



一面のスミレ。

右はフモトスミレかなあ?

家内がどんど行ってしまうので写せない。




突然ニリンソウの花園が現れる。

咲き始めでピンクが残っている可愛い。



とにかく道の両側にずっとニリンソウが咲いている。

もう少ししたら満開で素晴らしい事だろう。

右の花は?キバナアマナ(蘭ちゃんに教えていただきました)

アマナの花とはかなり異なって細い花弁だ。



ヤマエンゴサクも少しずつ形が違う

それにしても人家の直ぐそばに山野草の花園が広がっている事に驚く。

雑草の草刈り等は、手作業でこまめにやらないと維持出来ないと思う。

ウィ〜ンと草刈り機でやったら一発でダメになってしまうだろうなあ。



車道をクロスして山道を行くと道標が奥に入る事を示している。

11時7分。

御岳山まで、2.7q。2時間30分と書いてある。

2.7qで2時間30分は?距離か時間が間違っている。

標高470m

ここから約標高差600mを登る。

山道に入って直ぐに、でっかい茶色のニョロ君にご対面。

今年初めてだ。

嫌な季節がやって来たなあ。



最初からかなりの急斜面。

足下にカタクリの葉が一杯。

でも咲いているのは僅か。

これから咲くのか、終わっているのか解らない。



ジグザグを切りながら黙々と登ると目の前がふさがれている。

な.なんだこれは!!

隙間から上に廻るとなんと休憩所の東屋が吹き飛ばされていた。



吃驚するなあもう!

ここは杉の峠。落合からの道が合わさる。

標高772m。11時45分着。



面白い顔のお地蔵さんにご挨拶。



急な尾根道を真っ直ぐに上がる。

登り切ったら(838m)向こうに御岳山が見える。

また、降りて登らないと行けないのか。



山道と書かれた分岐を真っ直ぐに行かずに御岳山方向に右に行く。

見晴らしの良い所に来ると秩父御岳山が正面に望まれる。

なんと頂上直下は真一文字に切腹している。

白いガードレールが不気味。



また急登を登ると、左が開け甲武信ヶ岳2475mが正面に見える。

右手前は白泰山1794m

なんと中津川にでっかいダムが建設中。

滝沢ダムというらしい。昭和44年に開発が始まって平成4年に水没移転112所帯の移転が終わり建設が始まったそうだ。

今頃未だこの様な工事が進んでいる事に驚く。



ここで、今日初めての登山者に出会う。

早く登って下山してきたのだろう。

単独行の男性一人と、親子の男性二人。

そして夫婦と3人グループ。

足下にはカタクリの葉がが沢山ある。開いているのは僅かだがこれから満開になると見事だろう。

余り人が通らないのか、登山道にも沢山カタクリの葉が出始めている。

ロープ保護もないし、此処のカタクリは自己繁殖力が強いのかなあ?

やはり登山客のマナーが良くて、踏まないように注意して歩いているのだろう。

盗掘もされないで感心するなあ。



突然カタクリの自生地の真ん中が切断されていた。

此処が先ほど見えていた切腹林道の正体か。

良くもう見事に尾根を切り取って林道を造るものよ。



看板に、管理道で、災害迂回用、林業用、御岳山登山アプローチ用で開通が待たれていると書かれていた。

こんな所までクルマ出来て御岳山に登る人が居るの?

来年開通だそうだが地図を見ると御岳山の周囲には黄色、アカ、青で書かれた建設中の林道がひしめいている。

俄作りの登山道を登るが、もう既に崩れかかっている。



此処にもカタクリが群生しているが、もう既に林道からの踏み跡が沢山入り込みカタクリの葉を無惨に踏みつけている。

斜面の崩壊と相まって此処の群生も何時まで残る事が出来るだろうか。



木々の間から、武甲山と秩父線沿線の町が見える。



ここから突然のヤセオネ岩石地帯の登りとなる。

秩父古生層の硬い岩が侵食されて残った尾根なので両側は切れ落ちている。

ロープがあり危険はないが、切り立ったヤセオネなので気が抜けない。

もし足を滑らすと大変な事になる。

家内は慣れたものでぐいぐいと登る。

手の力が必要な登りがかなり続く。

雨とか雪の日の下りには近寄りたくないルートだ。

(後日脇腹が痛くなった)

最後に鎖がありやっとピークの頂に着く。



登り切ったらまた下りで、2つほどピークを越すと鞍部に出て三峰口からの登山道と合わさる。



一登りで、赤い祠の前に出る。

親子が食事中。

その上に普寛神社の奥の院がある。御岳神社奥の院とも呼ばれている。

頂上は狭くおまけに祠の廻りに鎖が張ってあり、座れる場所はほとんど無い。

讃岐の里山でもこんな狭い頂上は滅多にない。

おまけに奥の落合への下山道は滑り落ちるような急傾斜。

すでに5人が食事中。

食事中の人を跨いで三角点を確認、記念撮影をする。



13時3分着。



正面には両神山がドデンとそびえている。





後ろ側には雲取山のとんがり帽子が見える。

南西には和名倉山(白石山)2036mが横たわっている。



頂上では座れないので階段下で、ゆっくりと昼食を楽しむ。

林道が出来て観光用に開発されれば、増えた登山客は頂上であふれてしまう。

13時44分下山開始

結構急坂で滑りやすい。

目の前に武甲山と秩父の町を見て下る。



しばらく下るとエイザンスミレの花園。



御岳山を振り返る。片側に木が生えていて滑稽に見える。



また、カタクリの群生地の中を歩く。



タツミチで猪刈山へと続く稜線をはずれて右へと下る。

エンレイソウが芽を出しているが未だ花は付けていない。



緩やかな道を下るともなく降りていくとまた、カタクリの群生地。

未だツボミだが一面に咲き乱れたら素晴らしいだろう。

ここは隠れたカタクリの群生地なんだ。

何時までもみんなの目を楽しませてね。



ヒトリシズカ発見。

葉を開く前のヒトリシズカは可愛い。



荒川村から武甲山まで秩父沿線の町が、眼下に見えてくる。

笠取山を源流とする荒川が川幅を広げてゆったりと流れている。



ウグイスカズラやヤマブキが咲き乱れる道を行くと急になる。



もう三峰口の駅が目の前。




ミツバツツジが咲き始めた道を下ると、即道の奇妙な墓がある。



此処には奇人変人超人と言われた、即道の終焉の地の常明寺があるがこの人の事は良く解らない。



車道に出て右に曲がると今日歩いた御岳山の鋭い稜線がクッキリ見える。

でこぼこだなあ!キツいはずだ。



またスミレやクサイチゴの花を楽しみながら行くと立派な贄川宿観光トイレがある。

登山ポストが設置されている。

ここが町分登山口。



朝来た道に出て、白川橋を渡り三峰口駅に戻る。



15時47分着

駅前の蕎麦屋でそばを食べたかったが16時12分に池袋直通電車がある。

趣のある蕎麦屋でビールとワンカップとみそおでんを購入。

荒川村のそばを食べたかったなあ。



みそおでんをつまみにビールとワンカップを飲みうつらうつらしていると横瀬の駅で満員となる。

池袋に着くと突然都会の喧噪がおそってくる。

秩父御岳山は思ったよりマイナーで、静かな山歩きと山野草を楽しむことが出来た。

これも林道が完成する来年までの事だろうか。

次には三峰口ら雲取山まで歩いてみたいと思っている。





総歩行距離13.2q

累計標高差 ±1465m

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