里山の夏 武川岳1052m 二子山883m 2006/06/17

− 名郷 〜 妻坂峠 〜 武川岳 〜 焼山 〜 二子山 〜 芦ヶ久保 −

金曜日は、一日中大雨が続いた。

今週末の山歩きは絶望と思っていた。

遅くまで仕事をして、一寸一杯やって帰ってきた。

ところが、何故か秩父地域は、曇りのち晴れのマークが出ているという。

急遽秩父で未だ登っていない山のリストを探す。

そう言えば、正丸や芦ヶ久保の辺りで南に二個並んだ、赤ちゃんのお尻のような、もっこり山が見えていた。

武甲山への縦走ルートにもなっている山は二子山と言うらしい。

秩父から北に見える二子山は厳しい事で有名らしいが、この二子山はそうキツくはなさそうだ。

酔いが回っているので資料集めもそこそこにして就寝。

所が寝苦しくて十分に睡眠を取る事が出来なかった。

 武川岳周辺地図

朝いつものように7時6分の池袋発に間に合うように家を出発。

飯能で8時のバスに乗るとお年寄り集団で満員。

棒ノ折山に行くらしいのだが、どう見ても平均年齢70才を遙か越えている。

ところが元気な事。しゃべって食べて、ゴミは椅子の下に放り込んで、全員スパッツを付けて

さわらびの湯で下車して行った。

ここから棒ノ折山に登って岩茸石山まで縦走した事が思い出される。

残ったのは私達を入れて5人。

更にバスは山奥に入るが、人家は思いの外多い。



8時55分名郷に到着。

一旦少し引き返し、綺麗なトイレをお借りする。



さてどちらに向かおうかとトイレ横の案内板を見ると、蕨山へのハイキングコースが書いてある。

蕨山は1044mの山だが、厳しい登りが楽しめる山として人気が高いらしい。

また次回のお楽しみ...

よく見ると武川岳も右上にカタクリの花の横に描かれている。

まずは妻坂峠のお地蔵さんを目指して、歩いていこう。

注意:このバス停にも二子山とか妻坂峠とかの道標はありません。

バスの止まった方向に行くと山伏峠、横瀬方面です。

妻坂峠には左へ橋を渡って車道を進みます。



9時丁度出発

一緒にバスを下りた男性は何処か居なくなってしまった。

若い男女のペアはなかなか出発しない。

お先にと歩き始める。

標高326m

馬頭観世音の祀られている所から、小さな橋を渡ると渓流に沿って緑が鮮やか。



渓流に沿って車道を行くと5分もしない内に、天狗岩経由武川岳の看板。

この登山道は健脚向きと書かれていて、石灰岩の露岩を越えていく楽しいコースらしい。

しかし、昨日の大雨の後に、初心者は登らないようにと注意書きのあるコースを行くのは躊躇われる。

少し迷った末に、妻坂峠越えを選ぶ。

妻坂峠越えから二子山への縦走コースも、ガイドブックでは健脚コースとなっているのだが...



この辺でよく見かけるヒメフウロのような花とヤブヘビイチゴの実。



しばらく行くと大きなキャンプ場がありログハウスの売店がある。

店内には登山地図なども張ってあった。



自然石の古い地蔵尊にお詣りして行くと、大場戸橋手前で鳥首峠との分岐。

橋の手前を右に妻坂峠に向けていく。

9時13分。



渓流に沿っていくと、川床にはでっかい岩が渓流に浸食されて残ったような姿。



一文字蝶が飛び回っているが撮影出来ない。

この白い線が複数ある蝶?は道案内するかのように近くに寄ってきた。

この蝶はミスジチョウ。こんなにしっかりと見たのは初めてかなあ?

モリアオガエルの卵?が沢山ある。



渓流には小さな滝が沢山ある。

道端には古い石垣が続きユキノシタが群生している。

ユキノシタのラインダンス。



林道と言っても、舗装された道はかなり傾斜があり汗びっしょりになって歩く。

沢の川床の石は赤く見える。石灰岩の筈では?

軽四に乗って追い越していった女性が、ポリタンクを沢山出して湧き水を汲んでいる。

私も頭から水を浴び、冷たい水を飲んで生き返る。



車道が大きく右に曲がる所に、一級河川入間川起点の石碑。

この渓流は入間川だった事を知る。

しかし一級河川起点とは初めて見た。

源流とはまた違って、此処から一級河川として認定されていると言う事だろうか?

調べてみると、お上が「管理[かんり](せわをすること)をするはじまりの点」らしい。

セリバヒエンソウが暑さにあえぐ気持ちを慰めてくれる。



やっと、武川岳や二子山の載っている看板があった。

その先で林道は終わり細い橋が架かっている。

地図では、この先左にも林道が続くようになっているが、そんな道は見あたらない。

9時53分。

標高542m。

ベンチもないので立ちったまま水休憩。



橋を渡り右に回り込むように登山道を登って行く。



植林地帯に入るとうだるような暑さ。

カタバミやフタリシズカが一面に咲いている。



途中で開けた所に出ると奥多摩の大岳山のおへそのような山頂を見ることが出来る。

10時29分妻坂峠着。

標高839m。

妻坂峠は秩父と名栗を結ぶ古峠で、鎌倉時代に畠山重忠、そして近代では若山牧水が越えたと言われている。

峠は十字路で、稜線を北に越えれば生川の一の鳥居。

先日の武甲山から下山した場所に出る。あれからの最悪の車道歩きを思い出す。

左は大持山、小持山を経て武甲山に至る。

此処には石地蔵があるはずなのだが見あたらない。



小休止後、右へ武川岳に向かって出発。

武甲山が正面にあるが、頂上はガスの中。

気持ちの良い尾根を歩く。



けったいなキノコ

この尾根道には低木の広葉樹が多い。



両側の樹木は何だろう。

コナラは解るが、細い枝が密集して生えている木が解らない。

ガイドブックでは、アセビ、シロヤシオなどの樹木が多いと書いてある。



つるっとした木肌にコナラのような葉?

ブナの若木か?



緑のトンネルの中を行く。



振り返ると大持山もガスの中。



石灰岩の露岩が多くなる。

こここは橋立層のチャートがよく見られる所。



この岩をよく見ると石灰岩の中に赤い石が包み込まれている。

この赤い部分が川床の赤色と関係あるのだろうか?

土佐の仙人さんから、チャートにもよく似た色のものもあるが、揮緑凝灰岩ではないかと教えて戴きました。

数億年も前に赤道直下で生まれたものが、太平洋プレートの上に乗っかり、

日本までやって来て、こうして私達の登山道に転がっているというのは摩訶不思議なものだ。



結構踏ん張る登りが続く。

家内も少しバテ気味。この蒸し暑さの所為だろう。



山頂に近づくとガスが出てきた。

鹿の皮剥にあった樹木が多くなる。



ガスで幽玄の世界に入ったよう。

突然あっけなく武川岳の頂上に到着。

此処まで誰にも出会わなかったのに、頂上には7〜8人が休んでいた。

11時9分着。

バス停から2時間ほどかかっている。



この山頂は,砂岩(子ノ山層)でできているためたいへん平ら。

砂岩は全体が均等に風化していくので,その風化表面は,一般的になだらかになるとか。

頂上の見晴らしはほとんど無く、かろうじて開けている東側もガスの中。

ベンチで休むが、後ろの夫婦が行き先でもめている。

旦那は二子山に行こうと言っているのだが、奥さんが地図を見て、「こんな遠くまで行く気なの?」

其処へ単独行の男性が、「二子山経由芦ヶ久保への道は普段の日でも滑りまくりで危険」と言いだした。

聞いてみると皆さんは正丸峠の元気プラザから来た人が多い。

中には伊豆ヶ岳経由で登ってこられた方も居た。

先ほどの男性に「私達芦ヶ久保に下りようと思うのですが..」と言うと、

「疲れてからの急な下りは危険。八海山に登った時は..」と始まった。八海山はこの際関係ないんですけれど..

珍しく家内が昼飯にしようと言い出した。

少し早いが、下山路に悩みながら昼食にする。



そこへ男女三人のパーティが登ってきた。

芦ヶ久保から4時間かかったと言う。

かなり滑りまくりだったらしい。

昨日の雨はすごかったからなあ..



続く
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