蔵王 2005/9/18

− 蔵王連峰縦走 エメラルドグリーンの御釜を見たいなあ −

6時過ぎに目が覚めて、外を見ると少し霞んではいるが良い天気。

蔵王連峰の真ん中から朝日が昇った。

まずは、温泉を十分に楽しんでから、食事を済ませ8時前に出発。

ホテルのの水道は井戸水らしく、冷たくてとても美味しい。

ペットボトル5本に入れて持って行く。

今日のコースは、ドッコ沼、五郎岳、中央散策路、三宝荒神山、地蔵山、熊野岳、御釜、刈田岳と縦走するつもり。



所がトレッキングマップを見ると、大きく3つのエリアに別れていて、それぞれケーブル、ロープウェイ

バスを利用して回るらしい。

縦走の時間を、計算出来ない。

刈田岳から蔵王温泉までのバスは一日二便。最終は13時50分だとか。

しかもこのバスでも温泉まで帰ってくるのに1時間かかるらしい。

フロントの人は、まず刈田岳まで行って、歩ける所まで縦走してケーブルで降りてきなさいと言う。

でもそれでは山登りではなく「山下り」になる。

何とかなるさで、7時半に出発。

ドッコ沼のある中央高原まで、ゲレンデを登っていく事にする。



流石、年間130万人もスキー客が来るだけあって洒落た建物が多い。

左は体育館。剣道の試合があるのか武具を付けた子供が沢山居る。



ナナカマドの実が真っ赤になっている。

もう秋の気配。



大露天風呂付きの、上の台ゲレンデリフト乗り場。

こんな立派なリフト乗り場見た事がない。



ゲレンデの芝生をしばらく登っていく。



ゲレンデの横の植え込みに、黒い動物が居る。

「もしかして..」

と、こそっと近づくと、紛れもないニホンカモシカ。

思えば、昨年矢筈山の帰りに、初めて出くわしたが、グズグズしていて写すのに失敗した。

あのとき家内に「なにやってんの!」と叱られて、再度出会う事を心待ちにしていた。

今度は失敗しないぞと、カメラを握りしめて近づく。

やっと写せたのがこの写真。

しばらく顔を見合わせて感動の出会いの時間。

添え木が邪魔なので、アングルを変えようとしたら、あっという間にいなくなった。

探すと少し向こうで草を食べている。

やっぱりウシ科なんだと納得する。

しばらく追っかけっこをしたが、写真には撮れなかった。

気が付くと8時半になっていた。

すでにかなり疲れてしまった。

ここで、予定を変更して、スカイケーブルで、中央高原駅まで登る。



700円払って、一気に1260mまで、7分で到着。

8時42分着。



蔵王大権現が祀られている。







高原駅から、不動の滝へは向かわずに、真っ直ぐ行くとドッコ沼に着く。





龍が住んで居たというドッコ沼は神秘的な水をたたえている。



しばらく見入っていたいような良い雰囲気だが、先を急ぐ。



マユミに似ているがツリバナの実らしい。

右は水神様。



中央ゲレンデまで来ると、素敵なロッジが沢山あるが、このホテル三五郎は特に趣があって素敵だ。

五郎岳に向かってゲレンデを登る。



素敵なブナの林の中を歩く。

連休というのに人っ子一人居ない。

シラネセンキュウが、すがすがしく感じる。





エゾオヤマリンドウの濃い青色が一際目を引く。

咲き遅れたタテヤマウツボグサもちらほら咲いている。



ヤマハハコが沢山咲く道を行くと、五郎岳の登山口に着く。

9時8分。





ウメバチソウが、踏まないように登るのが大変なくらい咲き乱れている。

ナナカマドの紅葉が始まっている。



五郎岳頂上。1413m

9時17分。

山頂標識がひっくり返っている。

此処で初めて男性一名と遭遇。



白いトモエシオガマとクサアジサイ>



遠くに中央ロープウェイの鳥兜駅1387mが見える。



グミのような実と、不明の実。



景色を楽しんでから、元の分岐まで引き返す。

さてどちらへ行こうか?

メダマ沼かパラダイス(こんな山の中のパラダイスってなんだろう)か?

とりあえずパラダイスを目指す。

蔵王アザミが目立つ山道を下って行く。



突然開けた所に出て、ウツボ沼がある。

なんでウツボと言うんだろうか?

足元を見るとウツボグサの花の終わったのが沢山生えている。

きっと此処は、ウツボグサの名所なんだ。



エゾオヤマリンドウが少し花を開いている。



ドンドン登っていくとまたメダマ沼への分岐が来た。

マイズルソウの実が沢山なっている道をメダマ沼へと向かう。



左、長命の松





突然、片貝沼に出た。

メダマ沼は何処へ行ってしまったんだろう。



ナナカマドの大木が多い。



一旦車道に出てからゲレンデに着く。

此処がパラダイスと呼ばれているゲレンデ。

立派なホテルが建っている。

さてこれからどう行くのだろうか?



気の遠くなるようなゲレンデの坂を一人黙々と登っている。

私達もこの坂を登る事にする。

ゲレンデ登りはキツい。

ホソバのヤマハハコが目を慰めてくれる。



キツい坂をあえぎあえぎ登る。

若い時は、ゲレンデをスキーを担いで良く登った。

やはりもう若くはない事を思い知らされる。

突然ゲレンデの小さな岩場に白い花を見つけた。

よく見るとシラタマノキの実だ。

白い実のように見えるのは萼が変化して出来たもの。

本当の実はこの白いタマの中にある。



振り返ると素敵なホテルの向こうに、中央ロープウェイの駅。

更に向こうには、昨日登った龍山が傷ついた斜面を見せている。



ホソバヤマハハコの群落とタテヤマウツボクサ。



更に傾斜がきつくなり家内の足が重くなる。

エゾオヤマリンドウが、ゲレンデ一杯に咲いている。



遙かしたに蔵王温泉や泊まっているホテル。



見上げるとゴンドラがガスの中へ。

天気が悪くなっているようだ。

痛んだ木の階段が続く。

ここは「ザンゲ坂」と呼ばれている。

何の因果でこんなキツい坂を登るのか?

今までの人生をザンゲしろというのかな?



やっと蔵王ロープウェイ山頂駅に着く。

10時54分。

この駅も最近改装なったようで、綺麗な建物だ。



大きな蔵王地蔵尊がある。

冬には首の下まで雪に埋まるという。

1775年の建造で建てるのに、37年もかかったそうだ。

こんな大きな石をどうやって運んだのだろう。



地蔵尊の横から三宝荒神山に登る。



一登りで、1703mの頂上に着く。

ここは、子供からお年寄りまで沢山登っている。

段々とガスが深くなる。

立派な山の装備を身につけた団体が登ってきたので、聞いてみると御釜の方から縦走してきたらしい。

御釜は見えましたか?と聞くと、「ほんの少し一瞬」と歯切れの悪い返事。

「でもせっかく来たのだから是非行ってみたら?」

私達の希望をうち砕くような事を言ってから、「さあ食事にすっぺ」と座り込んだ。

ああここは、東北なんだと、うんうんと納得した。

何かとても、ほんわかする感じの言葉だ。

さて御釜のエメラルドグリーンは見えるのだろうか?

続く
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